令和5年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問3を解説|クロム(VI)排水の処理フロー
令和5年度 水質有害物質特論 問3は、クロム(Ⅵ)排水の処理フローで加える薬品A・B・Cの組合せを問う問題です。正しい組合せを選びます。
この問題のポイント
六価クロムはそのままでは沈まないため、いったん三価クロムに還元してから水酸化物として沈殿させる、という二段構えが基本です。還元は酸性側でよく進むので、まず硫酸で酸性にし(A)、亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤を加えてクロム(Ⅵ)をクロム(Ⅲ)に変え(B)、最後に水酸化ナトリウムでアルカリ側に戻して水酸化クロム(Ⅲ)を沈める(C)流れです。分かれ目は、A・B・Cが「酸→還元剤→アルカリ」の順に並んでいるかどうかです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
正しい薬品の組合せ
| 薬品 | 加える薬品 | 役割 |
|---|---|---|
| A | 硫酸(H2SO4) | 酸性にして、続く還元反応を進みやすくします。 |
| B | 亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3) | 還元剤。クロム(Ⅵ)をクロム(Ⅲ)に還元します。 |
| C | 水酸化ナトリウム(NaOH) | アルカリ側に戻し、水酸化クロム(Ⅲ)として沈殿させます。 |
ここが分かれ目
ひっかけは、酸化剤の次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)や鉄(Ⅲ)塩(FeCl3)を還元段に置いた組合せです。六価クロムの処理で必要なのは還元剤であって酸化剤ではありません。次亜塩素酸ナトリウムのような酸化剤ではクロム(Ⅵ)は三価に下がらず、沈殿できません。また、還元がよく進むのは酸性側なので、順序は「A=硫酸で酸性化 → B=亜硫酸水素ナトリウムで還元 → C=水酸化ナトリウムで中和・沈殿」となる選択肢(1)が正しい組合せです。
覚え方
- 六価クロムは酸性で還元→アルカリで沈殿の二段構え。
- 還元段は還元剤(亜硫酸水素ナトリウム)。酸化剤・鉄塩を入れない。
理解度チェック
Q.
六価クロム排水はどんな順で処理する?
硫酸で酸性にして還元剤で三価に還元し、水酸化ナトリウムでアルカリ側に戻して水酸化物として沈殿させます。
Q.
還元段に次亜塩素酸ナトリウムを使ってはいけないのはなぜ?
次亜塩素酸ナトリウムは酸化剤だからです。クロム(Ⅵ)を三価に下げるには還元剤が必要です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月