令和3年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問8を解説|ほう素・ふっ素排水の処理
令和3年度 水質有害物質特論 問8は、ほう素排水およびふっ素排水の処理に関する問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ほう素排水はアルミニウム塩系による凝集沈殿やN‒メチルグルカミン形イオン交換樹脂による吸着で、ふっ素排水はカルシウム塩でふっ化カルシウムを沈殿させたうえアルミニウム塩で高度処理する、といった流れが基本です。引っかけの核心はほう素の凝集沈殿に使う剤で、代表的なのはアルミニウム塩系です。選択肢(1)は「鉄塩と水酸化マグネシウムの併用」という組合せを挙げており、実際の処理の定石と食い違う点が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | ほう素排水の凝集沈殿はアルミニウム塩系が代表的で、「鉄塩と水酸化マグネシウムの併用」という組合せは実際の処理と合いません。 |
| (2) | ○(正しい) | ほう素排水の吸着法には、N‒メチルグルカミン形イオン交換樹脂が用いられます。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | ふっ素はカルシウム塩でふっ化カルシウムとして沈殿分離できますが、処理水には10mg/L程度残留します。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | ふっ素の高度処理では、アルミニウム塩で水酸化アルミニウムを生成させ、フロックにふっ化物イオンを吸着・共沈させます。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | ふっ素処理の吸着樹脂には、希土類水酸化物を交換体としたものがあります。正しい記述です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
ほう素は溶けやすく沈殿しにくいため、凝集沈殿ではアルミニウム塩系を使ってほう素を水酸化アルミニウムのフロックに取り込む方法が代表的です。選択肢(1)が挙げる鉄塩と水酸化マグネシウムの併用という剤の組合せは、この処理で用いる定石とは異なります。ほう素の凝集沈殿=アルミニウム塩系、吸着=N‒メチルグルカミン形樹脂、という対応で覚えると、剤の入れ替えによる引っかけを避けられます。
覚え方
- ほう素の凝集沈殿はアルミニウム塩系/吸着はN‒メチルグルカミン形樹脂。
- ふっ素はカルシウム塩で沈殿→アルミニウム塩で高度処理(残留はおよそ10 mg/L)。
理解度チェック
Q.
ほう素排水の凝集沈殿で代表的に使われるのは何系の剤?
アルミニウム塩系です。鉄塩と水酸化マグネシウムの併用とする記述は誤りです。
Q.
ふっ素をカルシウム塩で沈殿処理したときの処理水の残留ふっ素は、およそどの程度?
およそ10 mg/Lです。さらに下げるにはアルミニウム塩などによる高度処理が必要です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月