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令和2年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問15を解説|GC/MS法の前処理

令和2年度 水質有害物質特論 問15は、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS法)で使う前処理法と、測定対象物質の組合せに関する問題です。誤っている組合せを選びます。

この問題のポイント

GC/MS法の前処理は、対象物質の揮発性で選び分けます。揮発しやすい物質はパージ・トラップ法やヘッドスペース法で気相に追い出し、揮発しにくい農薬などは溶媒抽出法・固相抽出法・活性炭抽出法で液から取り出します。分かれ目は物質の揮発性と前処理の相性で、PCBは高沸点で揮発しにくいため、揮発性物質向けのヘッドスペース法には向きません。選択肢(2)の組合せが誤りです。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(誤っている組合せ)

各選択肢の判定

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)パージ・トラップ法とテトラクロロエチレン。揮発性物質を気相に追い出す組合せで正しいです。
(2)×(誤り)ヘッドスペース法とPCB。PCBは高沸点で揮発しにくく、ヘッドスペース法に向きません。誤りです。
(3)○(正しい)溶媒抽出法とシマジン。揮発しにくい農薬を溶媒で抽出する組合せで正しいです。
(4)○(正しい)固相抽出法とチオベンカルブ。農薬を固相に吸着させて取り出す組合せで正しいです。
(5)○(正しい)活性炭抽出法と1,4-ジオキサン。液から吸着で取り出す組合せで正しいです。

選択肢(2)のポイント(ここが誤り)

ヘッドスペース法は、密閉容器の中で試料の上に生じる気体(ヘッドスペース)を取り出して測る方法で、テトラクロロエチレンのような揮発しやすい物質に向いています。一方PCB(ポリ塩化ビフェニル)は沸点が高く揮発しにくいので、加熱しても気相へ十分に出てきません。そのためPCBの前処理にヘッドスペース法は適さず、溶媒抽出法や固相抽出法などで液から取り出すのが実際です。選択肢(2)は、揮発しにくいPCBを揮発性物質向けの前処理と組み合わせている点が誤りです。「揮発する物質は気相へ、揮発しない物質は抽出で」と対応づけて整理します。

覚え方

  • PCBは高沸点で揮発しにくい→ヘッドスペースやパージ・トラップは不向き。抽出法で。
  • 揮発性物質=パージ・トラップ/ヘッドスペース、難揮発性=溶媒・固相・活性炭抽出。
  • 前処理は物質の揮発性で選ぶ。

理解度チェック

Q.

PCBの前処理にヘッドスペース法が向かないのはなぜか?

PCBは高沸点で揮発しにくく、気相へ十分に出てこないためです。溶媒抽出などで取り出します。

Q.

パージ・トラップ法やヘッドスペース法が向く物質は?

揮発性の高い物質です。テトラクロロエチレンなどを気相に追い出して測定します。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF