令和2年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問14を解説|蒸留法の前処理
令和2年度 水質有害物質特論 問14は、測定対象物質の検定で、前処理として蒸留法・水蒸気蒸留法のどちらも使わないものを選ぶ問題です。(複数の検定法があるときは、そのいずれかで使われていれば「使われている」とみなします。)
この問題のポイント
蒸留法や水蒸気蒸留法は、妨害成分から目的成分を分けて取り出す前処理です。ふっ素は蒸留、シアン化合物・アンモニアは水蒸気蒸留、亜硝酸・硝酸はデバルダ合金で還元して蒸留、というように、多くの項目で蒸留系の前処理が使われます。分かれ目は、こうした蒸留を使わずに検定する項目を見つけることで、ほう素は吸光光度法やICP法などで直接測り、蒸留系の前処理を使いません。選択肢(2)がこれにあたります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(蒸留法・水蒸気蒸留法をどちらも使わない)
各選択肢の判定
| 選択肢 | 蒸留系の前処理 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | 使う | ふっ素及びその化合物は、妨害成分を除くため蒸留により分離してから検定します。 |
| (2) | 使わない | ほう素は吸光光度法やICP法などで直接測り、蒸留系の前処理を使いません。これが正解です。 |
| (3) | 使う | シアン化合物は蒸留(水蒸気蒸留を含む)で分離してから検定します。 |
| (4) | 使う | アンモニア及びアンモニウム化合物は、蒸留により分離してから検定します。 |
| (5) | 使う | 亜硝酸・硝酸化合物は、還元してアンモニアとし蒸留する検定法があり、蒸留系の前処理を使います。 |
選択肢(2)のポイント(ここが正解)
蒸留系の前処理は、目的成分を揮発性の形に変えて追い出したり、妨害成分から切り離したりするために使います。ふっ素・シアン・アンモニア・亜硝酸/硝酸は、いずれもこの蒸留系の前処理を伴う検定法を持っています。これに対しほう素は、メチレンブルーなどによる吸光光度法やICP発光分光分析法などで試料を直接測定でき、蒸留法・水蒸気蒸留法のどちらも前処理に使いません。「ほう素だけ蒸留を使わない」と結びつけて覚えると解けます。
覚え方
- 蒸留系の前処理を使わないのはほう素。吸光光度法・ICP法で直接測定。
- ふっ素・シアン・アンモニア・亜硝酸/硝酸は蒸留系の前処理あり。
- 「複数の検定法のどれかで使えば使用とみなす」の条件に注意。
理解度チェック
Q.
蒸留法・水蒸気蒸留法のどちらも前処理に使わない項目は?
ほう素及びその化合物です。吸光光度法やICP法などで直接測定します。
Q.
ふっ素やシアンで蒸留を使う理由は?
妨害成分から目的成分を分離して取り出すためです。蒸留系の前処理で純度を上げてから検定します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月