令和2年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問10を解説|曝気による分離
令和2年度 水質有害物質特論 問10は、空気を吹き込む曝気(ストリッピング)で排水から追い出しにくい有害物質を見分ける問題です。曝気での分離が困難なものを選びます。
この問題のポイント
曝気は、揮発しやすく水に溶けにくい物質を空気とともに気相へ追い出す操作です。トリクロロエチレンやテトラクロロエチレン、ベンゼンといった揮発性有機化合物は曝気で分離できます。アンモニアもpHを上げれば揮発性が高まり分離できます。分かれ目は水への溶けやすさと揮発性で、1,4-ジオキサンは水と自由に混ざるほど溶けやすく揮発しにくいため、曝気では追い出せません。選択肢(4)がこれにあたります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(曝気で分離が困難な物質)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 曝気での分離 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | できる | アンモニアはpHを上げると揮発性が高まり、曝気(アンモニアストリッピング)で分離できます。 |
| (2) | できる | トリクロロエチレンは揮発性が高く水に溶けにくいため、曝気で分離できます。 |
| (3) | できる | テトラクロロエチレンも揮発性の高い有機塩素化合物で、曝気で分離できます。 |
| (4) | 困難 | 1,4-ジオキサンは水とよく混ざり揮発しにくいため、曝気では追い出せません。これが正解です。 |
| (5) | できる | ベンゼンは揮発性が高く水に溶けにくいため、曝気で分離できます。 |
選択肢(4)のポイント(ここが正解)
曝気で追い出せるかどうかは、その物質が「揮発しやすく、水に溶けにくいか」で決まります。トリクロロエチレン・テトラクロロエチレン・ベンゼンは、いずれも揮発性が高く水への溶解度が小さいので、空気を吹き込むと気相へ移りやすく分離できます。一方、1,4-ジオキサンは水と自由に混ざり合うほど溶けやすく、蒸気になりにくい性質です。そのため空気を吹き込んでも液中にとどまり、曝気では分離が困難です。1,4-ジオキサンは、促進酸化などの別の方法で処理する必要があるとおさえます。
覚え方
- 曝気で追い出せるのは揮発しやすく水に溶けにくい物質。塩素系VOC・ベンゼン。
- 1,4-ジオキサンは水と自由に混ざり揮発しにくい→曝気では取れない。
- アンモニアはpHを上げれば揮発性が増しストリッピングで分離。
理解度チェック
Q.
曝気で分離しにくい物質の共通点は?
水によく溶けて揮発しにくいことです。1,4-ジオキサンが典型で、曝気では追い出せません。
Q.
アンモニアを曝気で分離するときの工夫は?
pHを上げることです。アンモニウムイオンが揮発性のアンモニアに変わり、追い出しやすくなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月