令和2年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問9を解説|シアン排水の処理
令和2年度 水質有害物質特論 問9は、シアンを含む排水の処理に関する問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
シアン排水の代表的な処理はアルカリ塩素法で、シアンを塩素で酸化して最終的に窒素と二酸化炭素まで分解します。鉄シアノ錯体には紺青法、遊離シアンには電解酸化法やオゾン酸化法など、相手に応じた方法も問われます。引っかけの核心はアルカリ塩素法の手順で、はじめにアルカリ性で塩素を加えてシアン酸へ酸化し、次にpHを下げてさらに分解します。選択肢(1)は「中性で塩素を加え、次にアルカリ性にする」と順序を逆に述べている点が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | アルカリ塩素法はまずアルカリ性で塩素を添加し、次にpHを下げます。中性から始めるとする点が誤りです。 |
| (2) | ○(正しい) | アルカリ塩素法では、シアンは最終的に窒素と二酸化炭素に分解されます。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 鉄シアノ錯体を含む排水には、難溶性の鉄シアン化合物を生成させる紺青法を用います。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 電解酸化法は遊離シアンや安定度の低いシアノ錯体に有効ですが、鉄やニッケルのシアノ錯体の分解は困難です。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | オゾン酸化法では、シアンは窒素と炭酸水素塩まで酸化分解されます。正しい記述です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
アルカリ塩素法は2段階で進みます。第1段ではアルカリ性(pHを高く保つ)で塩素を加え、有毒なシアンを比較的毒性の低いシアン酸へ酸化します。この段でpHが下がると有毒な塩化シアンが発生する恐れがあるため、アルカリ性を保つことが要点です。第2段でpHを中性付近まで下げ、さらに塩素を加えてシアン酸を窒素と二酸化炭素まで分解します。選択肢(1)は中性で塩素を加え、次にアルカリ性にしてさらに塩素を加えると、pHを動かす順序を逆に述べている点が誤りです。「先にアルカリ、後で中性」の順を取り違えないようにします。
覚え方
- アルカリ塩素法は先にアルカリ性で塩素→後で中性側でさらに塩素の2段階。
- 最終的にシアンは窒素と二酸化炭素へ分解。
- 鉄シアノ錯体は紺青法。鉄・ニッケルのシアノ錯体は電解酸化では分解しにくい。
理解度チェック
Q.
アルカリ塩素法は最初にアルカリ性・中性どちらで塩素を加えるか?
アルカリ性で塩素を加え、シアン酸へ酸化します。その後にpHを下げてさらに分解します。
Q.
鉄シアノ錯体を含む排水にはどの方法を使うか?
紺青法です。難溶性の鉄シアン化合物を生成させて除去します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月