令和元年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問11を解説|ECDとヘッドスペース法
令和元年度 水質有害物質特論 問11は、ガスクロマトグラフ法の検出器と前処理法の説明を読み、正しい組合せを選ぶ問題です。説明文が指すのがどの検出器・前処理法かを見きわめます。
この問題のポイント
検出器の説明にある「放射線源からのβ線(電子線)がキャリヤーガスを電離し、電子を捕獲する物質が入ると電流が減る」は、電子捕獲検出器(ECD)の原理です。前処理法の説明にある「バイアルに試料と塩析剤を入れ、上部に空間を残して密封し、気液平衡にして気相を注入する」は、ヘッドスペース法です。したがってECDとヘッドスペース法を組み合わせた選択肢(4)が正解です。分かれ目は、FID・ECDの取り違えと、ヘッドスペース法・パージトラップ法・溶媒抽出法の区別です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
説明が指すもの
| 区分 | 正しい語句 | 読み解き |
|---|---|---|
| 検出器 | ECD | 放射線源のβ線で電離し、電子を捕獲する物質で電流が減るのは電子捕獲検出器(ECD)。有機塩素系化合物の検出に強いです。 |
| 前処理法 | ヘッドスペース法 | バイアルに空間を残して密封し、気液平衡にして気相を注入するのはヘッドスペース法です。 |
ここが分かれ目
まず検出器では、FIDとECDの取り違えに注意します。放射線源と電子の捕獲が出てくればECDで、水素炎で有機物をイオン化するFIDとは原理が別です。次に前処理法では、上部の空間(ヘッドスペース)で気液平衡をとって気相を注入するのがヘッドスペース法で、不活性ガスで揮発成分を追い出して捕集するパージ・トラップ法や、溶媒に移し取る溶媒抽出法とは操作が異なります。この2点を押さえると、ECD+ヘッドスペース法の選択肢(4)にたどり着けます。
覚え方
- 放射線源+電子捕獲=ECD。水素炎=FID。
- 上部空間の気液平衡=ヘッドスペース法。ガスで追い出す=パージ・トラップ法。
- ECDは有機塩素系化合物の検出が得意。
理解度チェック
Q.
放射線源で電子を捕獲する物質を検出するGC検出器は?
ECD(電子捕獲検出器)です。有機塩素系化合物の検出に向きます。
Q.
バイアル上部の気液平衡を利用する前処理法は?
ヘッドスペース法です。ガスで揮発成分を追い出すのはパージ・トラップ法です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月