令和元年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問12を解説|試料の保存条件
令和元年度 水質有害物質特論 問12は、水質分析の測定項目と、その試料の保存条件の組合せを問う問題です。正しい組合せを選びます。
この問題のポイント
試料の保存は、対象成分が変化しないように酸・アルカリの添加や温度、容器の材質を選ぶのが基本です。分かれ目は、六価クロムを酸で固定しない点にあります。六価クロムは酸を加えると還元されてしまうため、保存剤を入れず低温の暗所でそのまま保存します。したがって「六価クロムをそのままの状態で0〜10℃の暗所」とする選択肢(1)が正しく、他は保存剤の酸・アルカリや容器の材質が対象に合っておらず誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 六価クロムは酸を加えると還元されるため、そのままの状態で0〜10℃の暗所に保存するのが正しい組合せです。 |
| (2) | ×(誤り) | シアンは酸性にするとシアン化水素が発生します。塩酸でpH4以下ではなく、アルカリ性で保存するため誤りです。 |
| (3) | ×(誤り) | カドミウムなどの重金属は酸を加えて酸性で保存します。NaOHでpH10以上とするのは向きが逆で誤りです。 |
| (4) | ×(誤り) | PCBはガラス容器で保存します。プラスチック容器では成分が容器に移るおそれがあり誤りです。 |
| (5) | ×(誤り) | 有機りん農薬はアルカリで加水分解されやすく、NaOHで弱アルカリ性にする保存は不適で誤りです。 |
ここが分かれ目
保存条件は「対象を変化させない」ことが原則です。六価クロムは酸で還元されて別の形に変わるため、保存剤を加えず低温・暗所でそのまま置きます。一方、シアンは酸性でシアン化水素として抜けてしまうのでアルカリ性で保存し、カドミウムなどの金属は析出や吸着を防ぐため酸性で保存します。PCBはプラスチック容器を避けてガラス容器を使い、有機りん農薬はアルカリで加水分解しないよう扱います。対象ごとに「酸・アルカリ・温度・容器」のどれが効くかを結び付けると、正しい組合せ(1)を選べます。
覚え方
- 六価クロムは酸を加えず低温・暗所でそのまま(酸で還元されるため)。
- シアンはアルカリ性で保存(酸性でシアン化水素が発生)。
- 金属は酸性で保存、PCBはガラス容器、有機りんはアルカリ回避。
理解度チェック
Q.
六価クロムの試料に酸を加えないのはなぜ?
酸を加えると還元されて六価でなくなるためです。低温・暗所でそのまま保存します。
Q.
シアンを酸性で保存してはいけない理由は?
酸性にするとシアン化水素が発生して失われるためです。アルカリ性で保存します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月