令和7年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問14を解説|好気生物膜の維持管理
令和7年度 水質関係技術特論 問14は、好気の生物膜処理装置の維持管理に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
生物膜処理では、充塡物の表面に付着した微生物の膜で有機物を分解します。膜が厚くなりすぎると内部が嫌気化したり脱落・堆積して充塡物を目詰まりさせるため、閉塞対策が維持管理のかなめです。引っかけの核心は比表面積と閉塞の関係で、充塡物の比表面積を大きくするほど接触面は増える一方で、すき間が細かくなって目詰まり(閉塞)は起こりやすくなります。選択肢(4)は閉塞を防ぐために比表面積をできるだけ大きくするとしており、閉塞対策と逆向きの操作を正しいかのように述べて取り違えさせる作りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 生物膜は表面のごく薄い部分だけが好気性で、内部は嫌気性になります。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 常に微生物を保持しているため、維持管理が比較的容易です。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 膜が厚くなり脱落・堆積して充塡物下部を閉塞することがあります。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 閉塞防止のため比表面積をできるだけ大きくするとする点が誤りです。比表面積が大きいほど目詰まりしやすくなります。 |
| (5) | ○(正しい) | 定期的に曝気量を増やして過剰な生物膜を剥離させ、薄く保つことが重要です。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
充塡物の比表面積は、単位体積あたりの表面積のことです。比表面積を大きくすると微生物の付着面は増えますが、その分すき間が細かくなり、剥離した生物膜や懸濁物が引っかかって閉塞(目詰まり)はかえって起こりやすくなります。選択肢(4)は「閉塞を防ぐため比表面積をできるだけ大きくする」と、閉塞対策と逆向きの操作を挙げている点が誤りです。閉塞を防ぐには、比表面積を過度に大きくせず適切に選び、選択肢(5)のように曝気で余分な膜を定期的に剥離させて膜を薄く保つ運転が有効です。
覚え方
- 比表面積を大きくすると目詰まりしやすい。閉塞対策とは逆。
- 生物膜は表面だけ好気、内部は嫌気。
- 閉塞防止=曝気で余分な膜を剥離し薄く保つ。
理解度チェック
充塡物の比表面積を大きくすると閉塞は起こりやすい?起こりにくい?
起こりやすくなります。すき間が細かくなり、剥離した膜や懸濁物が詰まりやすくなるためです。
過剰な生物膜を薄く保つにはどうする?
定期的に曝気量を一時的に増やして膜を剥離させます。過負荷を避けることも大切です。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月