令和5年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問18を解説|溶存酸素の動態
令和5年度 水質関係技術特論 問18は、生態系モデルにおける海水中の溶存酸素の動態に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
海水中の溶存酸素は、海面からの交換や植物プランクトンの光合成で供給され、有機物の分解や呼吸などで消費されます。窒素に関わる消費も出題されますが、引っかけの核心はどの窒素が酸素を消費するかです。酸素を使うのはアンモニア態窒素が硝酸へ酸化される「硝化」で、すでに酸化された硝酸態窒素はこれ以上酸化されず酸素を消費しません。選択肢は「硝酸態窒素の酸化で消費される」と誤って述べています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 表層の飽和酸素量と実際の酸素量の差から、海面を通しての酸素交換量を計算します。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 懸濁体有機物が分解される際に酸素が消費されます。正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 酸素を消費するのはアンモニア態窒素の硝化です。硝酸態窒素の酸化としている点が誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 植物プランクトンの光合成によって酸素が供給されます。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 植物プランクトンの呼吸によって酸素が消費されます。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
窒素の酸化で酸素を消費するのは、アンモニア態窒素が硝酸へ酸化される「硝化」の過程です。硝酸態窒素は窒素がすでに最も酸化された状態で、これ以上酸化されないため酸素を消費しません。選択肢(3)は「硝酸態窒素の酸化によって消費される」としていますが、正しくはアンモニア態窒素の硝化によって消費されるで、酸素を使う相手を取り違えています。供給側(海面交換・光合成)と消費側(有機物分解・呼吸・硝化)を仕分けし、消費の窒素はアンモニア態、と押さえておきます。
覚え方
- 酸素を消費する窒素はアンモニア態の硝化。
- 硝酸態窒素は酸化の最終形=これ以上酸素を使わない。
- 供給=海面交換・光合成。
- 消費=有機物分解・呼吸・硝化。
理解度チェック
Q.
溶存酸素を消費するのはアンモニア態窒素と硝酸態窒素のどちら?
アンモニア態窒素です。硝化(酸化)で酸素を使います。硝酸態窒素はすでに酸化されており消費しません。
Q.
海水中の溶存酸素を供給する要因は?
海面を通しての酸素交換と植物プランクトンの光合成です。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月