令和3年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問12を解説|硝化処理工程
令和3年度 水質関係技術特論 問12は、硝化処理工程に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
硝化は、アンモニア性窒素を硝化菌が亜硝酸・硝酸へと酸化する反応です。硝化菌は有機物を分解する一般の細菌より増殖速度が遅いため、系内に長く留めておかないと汚泥の引き抜きとともに流出してしまいます。引っかけの核心はSRT(汚泥滞留時間)の向きです。増殖が遅い菌を保持するにはSRTを大きく(長く)とる必要があり、「小さくとる」と書くのは逆で誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | SRTを小さくとる必要があるとする点が誤りです。硝化菌は増殖が遅いため、SRTは大きく(長く)とる必要があります。 |
| (2) | ○(正しい) | 硝化菌の増殖はpHの影響を受け、中性付近での処理が好ましいです。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 水温15 ℃程度以下では硝化速度が著しく低下します。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 担体添加法は硝化菌を槽内に保持するのに有効な手法です。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 残存アンモニアが酸素を消費し、BODとして検出されることがあります。正しい記述です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
硝化菌は、BOD除去を担う細菌に比べて世代時間が長く、ゆっくりとしか増えません。SRT(固形物滞留時間)を短くすると、硝化菌が十分に増える前に汚泥とともに引き抜かれ、系外へ流れ出て(ウォッシュアウトして)しまいます。そのため硝化を安定して進めるには、SRTを長く(大きく)とって硝化菌を系内に留めることが必要です。選択肢(1)は「SRTを小さくとる必要がある」と向きを逆に書いている点が誤りです。
覚え方
- 硝化菌は増殖が遅い→SRTは長く(大きく)とる。
- 適したpHは中性付近。水温15 ℃程度以下で硝化速度が激減。
- 担体添加法で硝化菌を槽内に保持。
理解度チェック
Q.
硝化菌を系内に保つには、SRTを長くとる?短くとる?
長く(大きく)とります。硝化菌は増殖が遅く、SRTが短いと増える前に流出してしまうためです。
Q.
硝化速度が著しく低下し始める水温の目安は?
15 ℃程度以下です。低水温では硝化菌の活性が下がり、硝化速度が著しく低下します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月