令和3年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問11を解説|生物膜法
令和3年度 水質関係技術特論 問11は、生物膜法の一般的な特徴に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
生物膜法は、担体(支持体)の表面に微生物の膜を付着させ、そこを排水が通る間に有機物を分解させる処理です。膜が厚くなると、表層は酸素が届く好気性域、支持体に近い深部は酸素が届きにくい嫌気性域に分かれます。引っかけの核心はSS除去能力と処理水の透視度です。生物膜法は老化した膜が自然に剥離して処理水側へ流出しやすく、この剥離片がSSとなるため、SS除去能力はむしろ低く、処理水の透視度も高いとは言えません。ここを「SS除去能力が高く透視度が高い」と長所のように書いて取り違えさせる作りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 膜が育つと表層に好気性域、支持体付近に嫌気性域ができます。正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | SS除去能力が高く透視度が高いとする点が誤りです。剥離した膜が流出するためSS除去能力はむしろ低く、透視度も高いとは言えません。 |
| (3) | ○(正しい) | 活性が低下すると支持体への付着力が弱まり、生物膜が剥離します。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 反応槽内の生物量を任意に増減する調整が難しいのが特徴です。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 高負荷では微生物が増えすぎて支持体を閉塞することがあります。正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
生物膜法は、担体表面に育った膜で有機物を分解します。膜は肥厚・老化すると自然にはがれ落ち、そのまま処理水側へ流れ出ます。この剥離した膜がSSとして流出するため、選択肢(2)が言う「SS除去能力が高く透視度が高い」とは逆に、SS除去能力はむしろ低く、処理水の透視度も高くなりにくいのが実情です。処理水のSSを下げるには、後段に沈殿やろ過の工程を置く必要があります。
覚え方
- 生物膜法=担体表面の膜で分解。表層は好気性、深部は嫌気性。
- 剥離した膜が流出するためSS除去能力はむしろ低い。透視度も高くない。
- 生物量の調整が難しく、高負荷では支持体が閉塞。
理解度チェック
Q.
生物膜法はSS除去能力が高い?
いいえ。剥離した膜が処理水に流出するため、SS除去能力はむしろ低く、透視度も高いとは言えません。「SS除去能力が高く透視度が高い」は誤りです。
Q.
生物膜の内部で好気性域と嫌気性域はどこにできる?
表層が好気性域、支持体付近が嫌気性域です。膜が厚いほど深部まで酸素が届かず嫌気性になります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月