令和3年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問4を解説|凝集沈殿法と凝集剤
令和3年度 水質関係技術特論 問4は、凝集沈殿法と凝集剤に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
凝集剤には、硫酸アルミニウム・ポリ塩化アルミニウム(PAC)・塩化鉄(III)などの無機凝集剤と、高分子凝集剤(ポリマー)があります。無機凝集剤は水中で加水分解して水酸化物のフロックをつくりますが、そのフロックが良好にできるpH域はそれぞれ決まっていて、外れると凝集が働きません。引っかけの核心はPACの適正pHです。PACが適するのはおおむね中性付近で、「pH10以上が適する」という記述が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 硫酸アルミニウムは加水分解して水酸化アルミニウムのコロイド沈殿を生じ、アルカリを消費してpHが下がります。正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | ポリ塩化アルミニウムが凝集に適するpHはおおむね中性付近です。「pH10以上が適する」は高すぎで誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | 塩化鉄(III)は使用条件が悪いと処理水を着色させることがあります。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 陰イオン性のポリマーは、フロックを大きく強くするため無機凝集剤と併用されることが多いです。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 凝集沈殿法は清澄化だけでなく、りんの除去にも用いられます。正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
アルミニウム系の凝集剤は、水中で加水分解して水酸化アルミニウムのフロックをつくります。このフロックが良好にできるpH域は中性付近に限られ、pHが高すぎると水酸化物がアルミン酸イオンとなって再び溶け、凝集が働かなくなります。したがってポリ塩化アルミニウムの適正pHは中性付近で、選択肢(2)の「pH10以上が適する」は誤りです。強アルカリ側ではフロックが崩れ、清澄化できません。
覚え方
- アルミ系凝集剤(硫酸バンド・PAC)の適正pHは中性付近。強アルカリでは再溶解して効かない。
- 硫酸アルミニウムは加水分解でアルカリを消費し、pHが下がる。
- 高分子(ポリマー)は無機凝集剤と併用し、フロックを大きく強くする。
理解度チェック
Q.
ポリ塩化アルミニウムの凝集に適したpHはpH10以上?
いいえ。おおむね中性付近が適正です。pHが高すぎると水酸化物が再溶解し、凝集しません。
Q.
硫酸アルミニウムを水に溶かすと水のpHはどうなる?
加水分解でアルカリを消費するため、pHは低下します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月