令和3年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問3を解説|凝集分離とゼータ電位
令和3年度 水質関係技術特論 問3は、粘土粒子(コロイド)の凝集分離とゼータ電位に関する、下線を付した箇所の正誤を問う問題です。下線部のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
コロイド粒子は水中で熱運動によりブラウン運動をし、表面が負に帯電して互いに反発するため、凝集せず水中に分散したまま安定します。この「微粒子が液中に分散して安定した状態」がゾルです。粒子は水和層(水分子の層)を伴って動き、そのすべり面(せん断面)の電位がゼータ電位と呼ばれ、測定できます。引っかけの核心は、反発して分散・安定した状態を「ゲル状」と書き替えている点です。ゲルは粒子が網目状につながって固まった状態で、分散安定とは逆の状態です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 下線部 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | コロイド粒子は熱運動によってブラウン運動をします。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 粒子表面が負に帯電し、互いに反発し合うのは一般的なコロイドの性質です。正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 反発して分散し安定した状態はゾルです。「安定なゲル状の構造」は誤りで、ゲルは固まった状態を指します。 |
| (4) | ○(正しい) | 粒子は水和層(水分子の層)を付着させた状態で移動すると考えられます。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 水和層のせん断面の電位がゼータ電位で、測定が可能です。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
負に帯電したコロイド粒子は互いに反発し、凝集せずに水中に分散したまま安定します。この「微粒子が液中に分散した状態」をゾルと呼びます。選択肢(3)は「安定なゲル状の構造を保っている」としている点が誤りで、正しくはゾル状(分散した状態)です。ゲルはゼリーのように粒子どうしが網目状につながって固まった状態を指し、分散・安定とは反対の状態です。凝集分離では、この反発(ゼータ電位)を凝集剤で打ち消して粒子を集め、大きなフロックにして沈降させます。
覚え方
- 反発して分散・安定=ゾル。網目状に固まった=ゲル(逆の状態)。
- 水和層のせん断面の電位=ゼータ電位。測定でき凝集の効きの指標。
- 凝集は反発(ゼータ電位)を弱めて粒子を集める操作。
理解度チェック
Q.
反発して分散・安定したコロイドの状態は「ゾル」「ゲル」どちら?
ゾルです。ゲルは粒子が網目状につながって固まった状態で、分散安定とは逆です。
Q.
水和層のせん断面に生じる電位の名前は?
ゼータ電位です。測定でき、凝集のしやすさの指標になります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月