令和2年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問15を解説|試料の保存条件
令和2年度 水質関係技術特論 問15は、水質測定における試料の保存に関する問題です。0〜10 ℃の暗所で保存することができない測定項目を選びます。
この問題のポイント
多くの項目は、微生物の働きや化学変化を抑えるために0〜10 ℃の暗所(冷暗所)で一定期間保存できます。しかしpHは、二酸化炭素の出入りや温度変化ですぐに動いてしまうため、冷やして暗くしても値を安定させて保てません。そのため採取後は直ちに測定する項目で、冷暗所保存の対象にならないというのが引っかけの核心です。BOD・COD・TOC・SSはいずれも冷暗所で規定の期間保存してから測れる項目です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 冷暗所保存 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | できない | pHは温度変化や二酸化炭素の出入りですぐ動くため、冷暗所でも安定せず、採取後直ちに測定します。これが正解です。 |
| (2) | できる | BODは冷暗所で微生物の活動を抑えれば、規定の期間内は保存して測定できます。 |
| (3) | できる | CODも冷暗所で変化を抑えて保存できます。 |
| (4) | できる | TOC(全有機体炭素)も冷暗所で保存できます。 |
| (5) | できる | SS(浮遊物質)も冷暗所で保存してから測定できます。 |
選択肢(1)のポイント(保存できない理由)
pHは水に溶けた二酸化炭素の量や温度でかんたんに変わります。容器の中で空気と触れたり温度が上下したりすると、冷やして暗くしても値がずれてしまい、採取したときの状態を保てません。だからpHは「保存して後で測る」項目ではなく、その場で(採取後直ちに)測定するのが原則です。ほかのBOD・COD・TOC・SSは、冷暗所で微生物の働きや化学変化を抑えれば、決められた期間内なら測定できるため、保存が「できる」側にあたります。
覚え方
- pHは冷暗所でも保存不可・直ちに測定。二酸化炭素と温度でぶれるため。
- BOD・COD・TOC・SSは冷暗所で規定期間の保存が可能。
理解度チェック
Q.
pHを冷暗所で保存して後から測ってよい?
いいえ。pHは温度や二酸化炭素の出入りで動くため冷暗所でも安定しません。採取後は直ちに測定します。
Q.
冷暗所保存はなぜ有効なの?
低温と暗さで微生物の活動や光による変化を抑えるためです。BODやCODなどは、これで規定の期間内なら測定できます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月