SS(浮遊物質)と透視度・濁度の違い(蒸発残留物・強熱減量との関係)

エコまる

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SSと透視度と濁度って、どれも水のにごりの話だけど何が違うの?

SS(浮遊物質)は、水の中に浮かんでいる小さな粒の量を、重さで表した指標です。

透視度や濁度も水のにごりを表しますが、こちらは水の澄み具合を見た目や光で測ります。

同じ「水のにごり」でも、SSは重さ、透視度・濁度は見た目や光で測る点が違います。

SS(浮遊物質)とは

SSとは、試料をろ過したときに、ろ材の上に残る物質のことです。懸濁物質ともいいます。

水をろ過すると、溶けずに浮いている小さな粒(土の微粒子・プランクトン・有機物など)がろ紙の上に残ります。

この残った物を乾かし、その重さを水の量で割って表します。単位はmg/Lです。

細かくいうと、目開き2mmのふるいを通した試料を、孔径1μmのガラス繊維ろ紙でろ過し、105〜110℃で乾かして量ります。

SSの値が大きいほど、水中の粒が多く、水はにごっています。

SSは、BODやCODと同じく、川や海の汚れぐあいを表す生活環境項目の一つとして環境基準に使われます。

工場排水では、SSは凝集沈殿やろ過で取り除く対象になります。

活性汚泥法では、ばっ気槽の汚泥の濃度もSSとして測り、MLSSと呼びます。

透視度・濁度とは

透視度とは、水の澄み具合を、上から透かして見える深さで表したものです。

透視度計というガラスの筒に水を入れ、底に置いた二重十字の標識が初めてはっきり見える水の高さを測ります。

10mm(1cm)を1度として表し、澄んだ水ほど深くまで見えるので、度の値は大きくなります。

濁度とは、水のにごりの程度を、標準液と比べて表したものです。

光を当てたときの散乱や透過の度合いで測り、にごるほど濁度の値は大きくなります。

単位は、カオリン標準液で測れば「度(カオリン)」、ホルマジン標準液で測れば「度(ホルマジン)」です。

透視度も濁度も器具が簡単で、現場で手早くにごりをつかめます。

水に浮かぶ粒(SS)が多いほど、光がさえぎられて透視度は小さくなります。

このためSSが大きい水ほど透視度は小さく、両者はおおむね逆の関係になります。

SSと透視度・濁度の違い

3つの指標を、何をどう測るかで並べます。

項目 SS(浮遊物質) 透視度・濁度
何を測るか 浮かぶ粒の量(重さ) 水の澄み具合・にごり
測り方 ろ過して残った分を乾かし重量を量る 透視度=見える深さ/濁度=光の散乱・透過
単位 mg/L 度(透視度)・度(カオリン等)(濁度)
値が大きいと 粒が多くにごっている 透視度は澄んでいる/濁度はにごっている
手間 ろ過・乾燥・ひょう量が必要 器具が簡単で手早い

SSは重さで量る正確な値、透視度・濁度は手早くにごりをつかむ簡易な値、という位置づけです。

同じ「にごり」でも測り方が違う SS(浮遊物質) ろ過して残った粒を 乾かし 重さで測る 単位 mg/L 透視度・濁度 水の澄み具合を 見た目や光で 簡易に測る 単位 度

SSは粒の量を重さで量る正確な指標、透視度・濁度は澄み具合を手早くつかむ簡易な指標。

蒸発残留物・強熱減量との関係

SSと混同しやすいのが、蒸発残留物です。

蒸発残留物とは、試料を蒸発させて乾かしたときに残る物質のことです。

SSはろ過して残った粒だけですが、蒸発残留物はろ過せずに蒸発させるので、水に溶けている成分も残ります。

そのため蒸発残留物は、浮かぶ粒(SS分)と溶けている分の両方を合わせた量になります。

ろ過したろ液を蒸発乾固した分だけを取り出したものは、溶解性蒸発残留物といいます。

強熱減量とは、こうして得た残留物を高温で強熱したときに、減った分のことです。

強熱で燃えて減るのは主に有機分なので、強熱減量はおよその有機物量の目安になります(残留物を600℃前後で強熱します)。

ろ過する/しないで分かれる 試料(水) ろ過する ろ過しない ろ紙に残る粒 =SS(懸濁物質) ろ液を蒸発乾固 =溶解性蒸発残留物 蒸発乾固すると =蒸発残留物 残留物を強熱して減る有機分 =強熱減量

SSはろ過して残った浮遊分。蒸発残留物はろ過せず蒸発させるので溶解分も含む。強熱で減る有機分が強熱減量。

過去問での問われ方

SSは水質概論では、どの業種の排水でSSが問題になるか、という形で出ます。

令和3年度 水質概論 問7では、コンクリート製品製造業の排水が「主にアルカリ性で浮遊物質(SS)を多く含む」ことは正しい記述として扱われました(誤りは、これを「重金属を大量に含む」とした側でした)。

令和2年度 水質概論 問7では、紙(パルプ)製品製造業の汚水で主に問題になるのがBOD・SS・色度であることが前提になっていました(アンモニア・フェノール・シアンはコークス製造業の特徴です)。

透視度や濁度そのものの測定値が概論で深く問われることは多くありませんが、にごりの指標としてSS・透視度・濁度のつながりを押さえておくと迷いません。

まちがえやすいポイント

測り方の取り違えが狙われます。

SSは「ろ過して残った粒の重さ」、蒸発残留物は「ろ過せず蒸発させた残り」で、溶けている成分を含むかどうかが違います。

透視度は値が大きいほど水が澄んでいて、にごるほど小さくなります(濁度やSSとは逆向き)。

理解度チェック

Q.

SSは水のにごりを何で測る指標か。

重さです。ろ過して残った粒を乾かし、その重量を水の量で割って mg/L で表します。見た目や光で測る透視度・濁度とは測り方が違います。

Q.

蒸発残留物とSSの違いは何か。

SSはろ過して残った粒だけです。蒸発残留物はろ過せず蒸発させるので、水に溶けている成分も含みます。

Q.

透視度の値が大きい水は、澄んでいるか、にごっているか。

澄んでいます。透視度は深くまで見えるほど度の値が大きくなります。にごるほど値が大きくなる濁度やSSとは逆向きです。

まとめ

SSは水に浮かぶ粒の量を重さで、透視度・濁度は水の澄み具合を見た目や光で測る指標です。

ろ過しない蒸発残留物は溶けている成分も含み、その残留物を強熱して減る有機分が強熱減量です。「SS=ろ過して残った重さ」「透視度は大きいほど澄む」の2点を押さえれば取り違えません。

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参考

  • JIS K 0102 工業用水・工場排水試験方法(懸濁物質・蒸発残留物・強熱減量・透視度の定義と測定方法)
  • JIS K 0101 工業用水試験方法(濁度の定義・標準液)
  • 水質汚濁に係る環境基準について(環境省告示。SS=浮遊物質は生活環境項目)
  • 一般社団法人 産業環境管理協会 公害防止管理者等国家試験(水質概論 令和2年問7・令和3年問7)・公式正答

この記事を書いた人

公害防止管理者 独学ノート 編集部

公害防止管理者試験の用語・法令・計算を、環境省の告示や過去問に照らして、独学者の目線で整理しています。