令和元年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問5を解説|物理現象と式・法則
令和元年度 水質関係技術特論 問5は、物理現象とそれに関係する式・法則の組合せを問う問題です。沈降やろ過、溶解などの現象に対応する式を見比べ、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
汚水処理で扱う物理現象には、それぞれ対応する式や法則があります。粒子の沈降はストークスの式、粒状層のろ過抵抗はコゼニー・カルマンの式、気体の溶解はヘンリーの法則、脱水ろ過はルースのろ過方程式が基本です。引っかけの核心は吸着平衡に当てる式で、電気化学で使うネルンストの式が紛れ込ませてあります。吸着の量を表す式かどうかを見抜けるかが分かれ目です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 粒子の沈降速度はストークスの式で表されます。妥当な組合せです。 |
| (2) | ○(正しい) | 粒状層を通る水のろ過抵抗はコゼニー・カルマンの式で表されます。妥当な組合せです。 |
| (3) | ×(誤り) | 吸着平衡はフロイントリッヒの式やラングミュアの式で表されます。ネルンストの式との組合せが誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 水に対する空気(気体)の溶解はヘンリーの法則で表されます。妥当な組合せです。 |
| (5) | ○(正しい) | 脱水ろ過はルースのろ過方程式で扱われます。妥当な組合せです。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
吸着平衡とは、活性炭などの吸着剤に溶質が吸着する量と、液の中に残る濃度との釣り合いのことです。この関係を表す等温線はフロイントリッヒの式やラングミュアの式で書かれます。一方のネルンストの式は、電極の電位と溶液中のイオン濃度を結びつける電気化学の式で、吸着量とは関係がありません。名前が式の集まりの中に並んでいるため紛らわしいですが、「吸着平衡—ネルンストの式」は対応しない組合せなので誤りです。
この問題に関連する用語解説
覚え方
- 吸着平衡はフロイントリッヒ式・ラングミュア式。ネルンストは電気化学(電極電位)で別物。
- 沈降=ストークス、ろ過抵抗=コゼニー・カルマン、気体の溶解=ヘンリー、脱水ろ過=ルース。
- 「式の主役が何を表すか」で対応を確認。名前だけで結びつけない。
理解度チェック
Q.
吸着平衡を表す式は?
フロイントリッヒの式やラングミュアの式です。ネルンストの式は電極電位を扱う電気化学の式で、吸着平衡とは無関係です。
Q.
水に対する気体の溶解を表す法則は?
ヘンリーの法則です。一定温度で溶ける気体量が分圧に比例する関係を表します。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月