令和7年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問5を解説|塀による回折減衰の計算
令和7年度 騒音・振動特論 問5は、塀(遮音壁)による回折減衰の計算問題です。純音性の点音源に対して塀の高さを2.5 mから5 mに変えたとき、騒音レベルが約何dB低減するかを求めます。
この問題のポイント
塀の効果は、音が塀の頂点を回り込むときの行路差δ(塀の上を通る道のりと直線距離との差)で決まります。行路差からフレネル数 N = 2δ/λを出し、これを回折減衰の式に入れます。塀を高くすると頂点が上がって行路差δが大きくなり、Nが増えて減衰量が増えます。求める低減量は「高さ5 mの減衰量」から「高さ2.5 mの減衰量」を引いた差です。手順どおり計算すると約7 dBとなり、選択肢(1)が正解です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
解き方の手順
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 波長を出す | λ = c/f = 340 ÷ 1020 = 約0.33 m(=1/3 m)。純音1020 Hzの波長を出します。 |
| 行路差δ | 音源→塀の頂点→測定点の道のりから直線距離を引きます。図の寸法(√5=2.24を使う斜辺)から、塀2.5 mと塀5 mそれぞれのδを求めます。塀が高いほどδは大きくなります。 |
| フレネル数N | N = 2δ/λ。求めた行路差δを代入して、2.5 mと5 mのNを出します。 |
| 回折減衰 | 回折減衰の式(N≧1では約 10 log(3+20N))に代入し、各高さの減衰量を求めます。 |
| 差をとる | 低減量 =(5 mの減衰量)-(2.5 mの減衰量)= 約7 dB。これが答えです。 |
ここが分かれ目
問われているのは「塀の減衰量そのもの」ではなく、高さ変更による減衰量の増加分(差)です。5 mのときの減衰量だけを答えにすると数値がずれます。塀を高くすると頂点が上がって行路差δが増え、フレネル数 N = 2δ/λ が大きくなるので、回折減衰は増加します。波長は λ = c/f で音速と周波数から一意に決まるので、まずここを固めてからδ→N→減衰量と進めるのが安全です。図の斜辺の長さを求める場面で √5 = 2.24 を使います。
覚え方
- 塀の回折減衰=行路差δ → フレネル数N=2δ/λ → 減衰量の順。
- 塀を高くする=行路差δが増える=Nが増える=減衰量が増える。
- 波長 λ=c/f(音速÷周波数)を最初に確定させる。
理解度チェック
塀を高くすると回折減衰はなぜ増えるのか?
頂点が上がって行路差δが大きくなるためです。δが増えるとフレネル数 N=2δ/λ が大きくなり、回折減衰量が増加します。
周波数1020 Hz・音速340 m/sのときの波長は?
λ=340÷1020=約0.33 m(1/3 m)です。波長は音速を周波数で割って求めます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月