令和6年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問23を解説|金属ばねの特徴
令和6年度 騒音・振動特論 問23は、防振装置に使う金属ばね(重ね板ばね・コイルばね・皿ばね)の性質に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
金属ばねは低い固有振動数まで設計でき、重ね板ばねは板間摩擦で減衰を得る一方で高周波の絶縁性が悪い、コイルばねは水平と軸方向のばね定数の比がほぼそろう、といった特徴があります。引っかけの核心は皿ばねの効く向きです。皿ばねは円錐状の板を軸方向に押して使うばねで、ばね作用は主に上下(軸)方向に生じます。選択肢(5)はこれを「上下方向以外にもばね作用を有する」として、他方向にも同様に働くかのように述べており、そこが誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 重ね板ばね・コイルばね・皿ばねは、いずれも固有振動数1〜10 Hz程度で設計できます。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 重ね板ばねは板間の摩擦で減衰を得る反面、高周波振動の絶縁性が悪くなります。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 重ね板ばねは動的ばね定数の振幅依存性が大きいのが特徴です。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | コイルばねの水平方向と軸方向のばね定数の比は、通常0.7〜1程度です。正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | 皿ばねのばね作用は軸(上下)方向が主体で、他方向にも働くとする点が誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
皿ばねは、中央が開いた円錐状(皿状)の金属板を、軸方向に押しつぶすようにたわませて使うばねです。荷重も変形も軸(上下)方向に沿って生じ、ばね作用はこの方向に効きます。水平方向やねじれ方向に対して積極的なばね機能をもつわけではありません。選択肢(5)は「上下方向以外にもばね作用を有する」として、他方向にも同じように働くかのように述べており、皿ばねの本来の使い方と食い違います。多方向のばね作用を1個で得たい場合は、形状の選択が自由でそれが可能な防振ゴムなどが向きます。
覚え方
- 皿ばねは軸(上下)方向が主体のばね。多方向は本領ではない。
- 重ね板ばね=板間摩擦で減衰あり/高周波の絶縁は苦手/振幅依存性が大きい。
- 金属ばねは固有振動数1〜10 Hz程度まで設計可能。
理解度チェック
皿ばねのばね作用は主にどの方向に効く?
軸(上下)方向です。円錐状の板を軸方向にたわませて使うため、この向きにばねとして働きます。
重ね板ばねが高周波振動の絶縁に弱いのはなぜ?
板間の摩擦で減衰を得る構造のため、板同士の接触を通じて高周波の振動が伝わりやすくなるからです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月