1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 騒音・振動特論
  4. 令和6年
  5. > 問2 消音器の吸音率

令和6年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問2を解説|消音器の吸音率

令和6年度 騒音・振動特論 問2は、長方形断面の吸音ダクト形消音器で目標の伝達損失を得るために必要な吸音材の吸音率を求める計算問題です。最も近い値を選びます。

この問題のポイント

内張り式(吸音ダクト形)消音器の伝達損失は、ザバインの実験式 ΔL=1.05・α1.4・(P/S)・L で見積もれます。ここでαは吸音率、Pは断面の周長、Sは断面積、Lは内張りの長さです。分かれ目は、まず与えられた伝達損失5dBに式を当てはめてα1.4の値を出し、そこから1.4乗根でαに戻す流れを取れるかどうかです。数値を入れると吸音率は約0.55になり、選択肢(3)が最も近い値です。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)

各選択肢の正誤

選択肢判定
(1)0.45× 計算値の約0.55より小さく、伝達損失が5dBに届きません。
(2)0.50× やや小さく、5dBにわずかに足りません。
(3)0.55○ 計算値の約0.55に一致します。最も近い値です。
(4)0.60× 計算値より大きく、伝達損失が5dBを超えます。
(5)0.65× さらに大きく、必要量を上回ります。

計算の手順

  • 断面は長辺0.7m×短辺0.5mなので、周長 P=2×(0.7+0.5)=2.4m、断面積 S=0.7×0.5=0.35m2
  • 内張り長さ L=1.6m。よって (P/S)×L=(2.4/0.35)×1.6=6.86×1.6=約11.0。
  • ザバイン式 ΔL=1.05・α1.4・(P/S)・L に ΔL=5 を代入:5=1.05×α1.4×11.0。
  • α1.4=5/(1.05×11.0)=5/11.5=約0.43。
  • これを1.4乗根に戻すと α=0.431/1.4約0.55

したがって、400Hzで5dBの伝達損失を得るのに必要な吸音率は約0.55で、選択肢(3)が最も近い値です。

覚え方

  • 内張り消音器の伝達損失=ΔL=1.05・α1.4・(P/S)・L(P周長・S断面積・L長さ)。
  • 与えられたΔLからα1.4を出し、1.4乗根でαに戻す(乗根を忘れると値がずれる)。
  • 細長い断面ほどP/Sが大きく、同じ吸音率でも効きやすい。

理解度チェック

Q.

内張り消音器の伝達損失を大きくするには断面形状をどうする?

周長Pを大きく、断面積Sを小さくしてP/Sを大きくします。細長い断面や仕切りを入れた断面が有利です。

Q.

α1.4が0.43と出たあと、吸音率αを求めるには?

1.4乗根を取ります。α=0.431/1.4=約0.55です。乗根を取らずに0.43としないよう注意します。

令和6年 騒音・振動特論 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF