令和5年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問21を解説|振動レベルの距離減衰
令和5年度 騒音・振動特論 問21は、機械を敷地境界に近づけたときの振動レベルの距離減衰から、規制値を超えない最小距離を求める計算問題です。約何m離す必要があるかを求めます。
この問題のポイント
振動レベルの距離減衰は、波の広がりによる幾何減衰(ここでは倍距離ごとに3dB)と、地盤内部のエネルギー損失による内部減衰(8.68×内部減衰係数×距離差 dB)の2つでできています。100mで43dBのものを近づけると、幾何減衰分に加えて内部減衰分がぐっと戻ってレベルが上がります。60dBを超えないための境界距離を、候補を代入して確かめるのが早道です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 20mでは60dBを大きく超えるため、条件を満たしません。 |
| (2) | ×(誤り) | 30mでも60dBを超えるため、条件を満たしません。 |
| (3) | ×(誤り) | 40mでは約62dBとなり60dBを超えます。 |
| (4) | ○(正しい) | 50mで約59dBとなり、60dBを超えない最小距離として正しい値です。 |
| (5) | ×(誤り) | 60mは条件を満たしますが、「少なくとも何m」の最小距離ではありません。 |
計算の手順
基準は100mで43dBです。100mから50m(距離半分)へ近づけると、幾何減衰の戻りは倍距離3dBぶんで+3dB、内部減衰の戻りは8.68×0.03×(100−50)=約13dBです。合わせて43+3+13=約59dBで、60dBを超えません。さらに40mまで近づけると幾何+約4dB、内部+8.68×0.03×60≒+15.6dBで43+4+15.6≒約62.6dBとなり60dBを超えます。したがって60dBを超えないためには少なくとも50m離す必要があり、選択肢(4)が正解です。
覚え方
- 振動の距離減衰=幾何減衰(倍距離3dB)+内部減衰(8.68×係数×距離差)。
- 近づくほど内部減衰分が戻ってレベルが急上昇。
- 「超えない最小距離」は境界の内側で判定する。
理解度チェック
Q.
振動の内部減衰による減衰量はどんな式で表す?
8.68×内部減衰係数×距離差(dB)です。距離差が大きいほど大きく効きます。
Q.
この問題で倍距離あたりの幾何減衰は約何dB?
約3dBです(表面波の幾何減衰)。100mから50mに半分にすると+3dB戻ります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月