令和5年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問8を解説|吸音材料の用途
令和5年度 騒音・振動特論 問8は、吸音材料の用途に関する正誤問題です。挙げられた用途のうち不適当なものを選びます。
この問題のポイント
吸音材料は、当たった音のエネルギーを材料内部で熱に変え、反射を弱めるものです。だから残響の調整、室内での反射音の抑制、ダクト内張りによる伝搬音の低減といった「反射・伝搬を抑える」用途に向きます。引っかけの核心は、吸音材に音の放射(透過)を止める働きを期待する記述です。壁を通り抜ける音を止めるのは重くて丈夫な遮音材の役割で、軽く多孔質な吸音材にはできません。選択肢(3)はこの二つを取り違えています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(適当) | 残響(響き)を室の用途に合わせて調整するのは吸音材の代表的な用途です。 |
| (2) | ○(適当) | 室内に入った騒音や室内騒音の反射を抑えるのは吸音の働きそのものです。 |
| (3) | ×(不適当) | 機械からの騒音の放射(透過)を防ぐのは遮音材の役割で、吸音材の用途ではありません。 |
| (4) | ○(適当) | 換気ダクトの内張りに使い、ダクト内を伝わる騒音を吸収して低減します。 |
| (5) | ○(適当) | 反射音を抑えることで、騒音源から離れた場所での騒音を低減できます。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
吸音と遮音は、はたらきが逆向きです。吸音材は当たった音を吸って反射を減らす材料で、音を通しにくくする性質(透過損失)は小さいのがふつうです。一方、音源からの放射音や壁を通り抜ける透過音を止めるには、面密度の大きい遮音材が要ります。軽くて多孔質な吸音材にその役割を持たせることはできません。選択肢(3)は「吸音材で騒音の放射を防ぐ」としており、遮音の働きを吸音に取り違えている点が不適当です。実際の防音では、遮音で外へ出す音を止め、吸音で内部の反射を抑える、という組合せで使い分けます。
覚え方
- 吸音は反射を減らす、遮音は透過(放射)を止める。役割は逆向き。
- 吸音材の用途は残響調整・反射音低減・ダクト内張り。放射を止めるのは遮音材の担当。
理解度チェック
Q.
吸音材と遮音材の働きの違いは?
吸音材は音の反射を減らし、遮音材は音の透過(放射)を止めます。役割が逆なので取り違えないことが大切です。
Q.
機械が外へ出す騒音を止めたいときに使うのは?
遮音材(防音カバーなど面密度の大きい材料)です。多孔質の吸音材では放射を止められません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月