令和5年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問4を解説|建物の遮蔽による回折減衰
令和5年度 騒音・振動特論 問4は、長い建物の遮蔽による回折減衰の計算問題です。点音源Sから受音点Pへ到達する騒音が、建物によって約何dB減衰するかを求めます。
この問題のポイント
紙面に垂直方向へ長い建物は、遮音塀と同じく音を上端で回折させます。減衰量は、音が建物を回り込むときの行路差と波長で決まり、フレネル数 N=2δ/λ の大小で読み取ります。行路差が大きく波長が短い(=Nが大きい)ほど、よく遮れて減衰量が大きくなります。ここでは波長が1mと短めで、行路差もそれなりに大きいため、減衰量は約25dBに達します。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) 約10dB | ×(誤り) | フレネル数から読み取る減衰量に届かず、小さすぎます。 |
| (2) 約15dB | ×(誤り) | 行路差の大きさから求まる値には及ばず、過小です。 |
| (3) 約20dB | ×(誤り) | 惜しいものの、Nの値から読み取る減衰量より小さくなります。 |
| (4) 約25dB | ○(正しい) | 波長1mと行路差から求めたフレネル数に対応する回折減衰と一致します。 |
| (5) 約30dB | ×(誤り) | 回折減衰の上限に近く、この行路差では大きすぎます。 |
計算の手順
まず波長を求めます。音速 c=340m/s、周波数 f=340Hz なので、λ=c/f=340/340=1m です。
- 音源Sから建物の角(回折点)を通って受音点Pに至る経路と、建物がないときの直達距離との差を行路差 δ とします。
- フレネル数 N=2δ/λ を求めます。波長が1mと短いため、同じ δ でもNは大きめになり、減衰量も大きくなります。
- N に対応する回折減衰を図表から読み取ると約25dBとなり、選択肢(4)が正解です。
ポイントは、波長が短いほど(=周波数が高いほど)同じ行路差でも遮蔽効果が大きくなる点です。10〜15dBは低すぎ、30dBは高すぎで、この条件では約25dBに落ち着きます。
覚え方
- 建物・塀の遮蔽はフレネル数N=2δ/λが大きいほどよく効く。行路差が大・波長が短いほど減衰量が大きい。
- 波長 λ=c/f。周波数が高いと λ が短くなり、同じ遮蔽物でも回折減衰は増える。
理解度チェック
Q.
建物や塀の回折減衰が大きくなるのはどんなとき?
行路差δが大きく、波長が短い(フレネル数Nが大きい)ときです。高い周波数ほどよく遮れます。
Q.
340Hz・音速340m/sのときの波長は?
1m です。λ=c/f=340/340=1m。この波長でフレネル数を計算します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月