令和5年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問5を解説|拡散音場の音響パワーレベル
令和5年度 騒音・振動特論 問5は、拡散音場とみなせる部屋で、平均音圧レベルから音源の音響パワーレベルを求める計算問題です。
この問題のポイント
拡散音場では、部屋のあちこちで音が反射して混ざり合い、平均音圧レベルは音源のパワーと部屋の吸音力で決まります。吸音力 A は、全表面積 S に平均吸音率 α を掛けた A=Sα です。計算の要は「平均音圧レベル Lp と吸音力 A から音響パワーレベル Lw を逆算する」ことです。吸音力が大きい(よく吸う)部屋ほど、同じパワーでも室内は静かになります。ここでは A=123m² となり、Lw は約82dB です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) 約70dB | ×(誤り) | 補正量10log(A/4)を小さく見積もりすぎで、値に届きません。 |
| (2) 約73dB | ×(誤り) | 吸音力Aの取り方が過小で、Lwより低くなります。 |
| (3) 約76dB | ×(誤り) | 補正量が不足しており、正しい値に及びません。 |
| (4) 約79dB | ×(誤り) | 惜しいものの、A=123m²から求まる約15dBの補正には届きません。 |
| (5) 約82dB | ○(正しい) | Lw=Lp+10log(A/4)=67+約14.9≒82dB で一致します。 |
計算の手順
与えられた値は、平均音圧レベル Lp=67dB、全表面積 S=410m²、平均吸音率 α=0.3 です。
- 吸音力を求めます:A=Sα=410×0.3=123m²
- 拡散(残響)音場では Lp=Lw+10log(4/A) の関係が成り立ちます。これを Lw について解くと Lw=Lp+10log(A/4)。
- 10log(A/4)=10log(123/4)=10log(30.75)≒14.9dB
- Lw=67+14.9≒82dB
吸音力 A が大きいほど 10log(4/A) は小さくなり、同じパワーでも室内の音圧レベルは下がります。逆算では A を大きく見積もるほど Lw が大きく出ます。ここでは A=123m² から補正量が約15dBとなり、Lw≒82dB の選択肢(5)が正解です。
覚え方
- 拡散音場:Lp=Lw+10log(4/A)、吸音力 A=Sα。逆算は Lw=Lp+10log(A/4)。
- 吸音力が大きい部屋ほど静か。10個ぶんの吸音力(=10倍)で音圧レベルは10dB下がる。
理解度チェック
Q.
部屋の吸音力Aはどう求める?
A=Sα(全表面積×平均吸音率)です。この問題では 410×0.3=123m²になります。
Q.
吸音力を大きくすると室内の音圧レベルは?
下がります。10log(4/A)が小さくなるためで、吸音力が10倍になると音圧レベルは約10dB低下します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月