令和5年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問3を解説|遮音塀による減衰量の差
令和5年度 騒音・振動特論 問3は、遮音塀による回折減衰に関する計算問題です。点音源Aから受音点Bへの減衰量と、受音点Cへの減衰量の差を求めます。
この問題のポイント
遮音塀の効果(回折減衰)は、音が塀の上端を回り込むときに生じる行路差で決まります。行路差 δ が大きいほど、また波長が短いほどよく遮れます。計算では δ から求めるフレネル数 N=2δ/λ を使い、その大小で減衰量を読み取ります。受音点BとCでは塀からの回り込み量が違うため行路差が異なり、両者の減衰量にも差が出ます。この差は約2dB です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) 約0dB | ×(誤り) | BとCで行路差が異なる以上、減衰量の差はゼロにはなりません。 |
| (2) 約2dB | ○(正しい) | 両受音点のフレネル数から回折減衰を読み取ると、差は約2dBになります。 |
| (3) 約4dB | ×(誤り) | 差を大きく見積もりすぎで、行路差の差から出る値と合いません。 |
| (4) 約6dB | ×(誤り) | 回折減衰の差としては過大で、一致しません。 |
| (5) 約8dB | ×(誤り) | 最も大きく、行路差の差から求まる減衰量とかけ離れます。 |
計算の手順
まず波長を求めます。音速 c=340m/s、周波数 f=680Hz なので、λ=c/f=340/680=0.5m です。
- 各受音点で、音源Aから塀の上端を通って受音点に至る経路の長さ(回折経路)と、塀がないときの直達距離との差を行路差 δ とします。
- δ をフレネル数 N=2δ/λ に直し、回折減衰の図表(前川チャートなど)から減衰量を読み取ります。
- 受音点B・Cそれぞれの N から減衰量を求め、その差をとると約2dB になります。
塀に近く回り込みの大きい側ほど行路差 δ が大きく、減衰量も大きくなります。BとCで δ が違うぶん減衰量に差が生まれるので、差がゼロになる選択肢(1)は選べません。読み取った減衰量の差が約2dB となる選択肢(2)が正解です。
覚え方
- 遮音塀の効きは行路差δとフレネル数N=2δ/λで決まる。δが大きい・波長が短いほどよく遮れる。
- 波長 λ=c/f。周波数が高いほど λ は短く、同じ塀でも減衰量は大きくなる。
理解度チェック
Q.
遮音塀の回折減衰は何で決まる?
行路差δと波長λ(フレネル数N=2δ/λ)で決まります。δが大きいほど、また波長が短い(高い周波数)ほど減衰量は大きくなります。
Q.
680Hz・音速340m/sのときの波長は?
0.5m です。λ=c/f=340/680=0.5m。この波長を使ってフレネル数を求めます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月