令和5年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問2を解説|膨張形消音器の周波数
令和5年度 騒音・振動特論 問2は、膨張形消音器の伝達損失特性に関する計算問題です。空洞の長さから、矢印が指す周波数を求めます。
この問題のポイント
膨張形消音器は、管の途中に断面の広い空洞を挟み、断面の急変で音を反射させて通り抜けにくくする仕組みです。伝達損失は周波数によって山と谷を繰り返し、空洞の長さと音速で山や谷の位置が決まります。計算の要は「空洞長さと波長の関係」です。伝達損失が山(極大)になるのは、空洞長さが四分の一波長の奇数倍にあたる周波数で、いちばん低い山は f=c/(4L) に現れます。矢印はその上の山を指しており、値は約283Hz です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) 約142Hz | ×(誤り) | 最初の山 f=c/(4L) の値とも矢印の位置とも合いません。 |
| (2) 約283Hz | ○(正しい) | 3×c/(4L)=3×94.4≒283Hz で、矢印が指す伝達損失の山に一致します。 |
| (3) 約377Hz | ×(誤り) | この付近は伝達損失が谷になる周波数で、山とは一致しません。 |
| (4) 約475Hz | ×(誤り) | 矢印の指す山の周波数より高く、合いません。 |
| (5) 約566Hz | ×(誤り) | より高次の周波数で、矢印の位置とは一致しません。 |
計算の手順
音速 c=340m/s、空洞長さ L=0.9m とします。膨張形消音器の伝達損失が山(極大)になるのは、空洞長さが四分の一波長の奇数倍のとき、すなわち f=(2n−1)×c/(4L)(n=1,2,3…)の周波数です。
- 基本の山:f₁=c/(4L)=340/(4×0.9)=340/3.6≒94.4Hz
- 次の山:f₂=3×f₁≒3×94.4=283Hz
矢印は最初の山ではなく、その上の山(3倍の周波数)を指しているため、答えは約283Hz となり選択肢(2)が正しくなります。なお 377Hz や 566Hz は伝達損失が谷になる f=n×c/(2L) の側であり、山の周波数とは別物です。山と谷のどちらを問われているかを図の矢印で読み分けるのがポイントです。
覚え方
- 膨張形消音器の山:f=(2n−1)×c/(4L)(四分の一波長の奇数倍)。
- 谷になるのは f=n×c/(2L)(半波長の整数倍)。山と谷を取り違えない。
理解度チェック
膨張形消音器の伝達損失が最初に山になる周波数は?
f=c/(4L) です。この問題では 340/(4×0.9)≒94.4Hz。矢印はその3倍の約283Hzを指しています。
空洞を長くすると山の周波数はどうなる?
低くなります。f は空洞長さ L に反比例するため、長いほど山や谷が低い周波数側へ移ります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月