令和5年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問1を解説|送風機の騒音対策
令和5年度 騒音・振動特論 問1は、室内に設置された送風機の騒音対策に関する問題です。挙げられた対策のうち不適当なものを選びます。
この問題のポイント
送風機の騒音は、羽根の回転で生じる空力音(気流騒音)、ケーシングの振動が空気へ放射する音、そして基礎を通じて隣室へ伝わる固体音に分けて考えます。対策はそれぞれの発生源に合った手を打つのが基本です。引っかけの核心は、気流騒音の出口対策で吹出口の断面積を小さくするという一手です。断面積を絞ると同じ風量では流速が上がり、気流騒音はかえって大きくなります。気流騒音を抑えるには流速を下げる方向、つまり断面積を広げる向きが正しく、選択肢(1)はこれを逆に書いています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(不適当) | 吹出口の断面積を小さくすると流速が上がり、気流騒音がかえって増えます。向きが逆で不適当です。 |
| (2) | ○(適当) | 振動するケーシングにラギング(外装遮音)を施すのは、放射音を抑える妥当な対策です。 |
| (3) | ○(適当) | 羽根への付着物が異音の原因になっている場合、翼の清掃はバランスを整え妥当です。 |
| (4) | ○(適当) | 入口からの音漏れには二重扉で遮音経路を強化するのが妥当です。 |
| (5) | ○(適当) | 基礎への固体音伝搬には防振ゴムで振動絶縁するのが妥当です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
吹出口から出る気流騒音の大きさは、おおむね流速の高いべきに比例して増えます。同じ風量を通すとき、断面積を絞れば流速が上がるため、断面積を小さくする対策は気流騒音を悪化させる向きです。気流騒音を下げたいなら、吹出口を広げて流速を落とす、あるいは整流して乱れを減らすのが正しい方向です。選択肢(1)は「断面積をできるだけ小さくした」と、増やすべき向きを逆に書いている点が不適当です。
覚え方
- 気流騒音は流速が上がるほど大きくなる。抑えるなら断面積を広げて流速を下げる。
- 振動放射はラギング、固体音は防振ゴム、音漏れは二重扉。発生源ごとに対策を分ける。
理解度チェック
Q.
吹出口の断面積を小さくすると気流騒音はどうなる?
大きくなります。同じ風量では断面積を絞ると流速が上がり、気流騒音が増えるためです。抑えるには断面積を広げて流速を下げます。
Q.
隣室への固体音伝搬を抑える対策は?
防振ゴムなどで基礎に振動絶縁を施すことです。振動を構造体へ伝えない向きの対策です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月