令和4年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問26を解説|防振対策と振動レベル低減
令和4年度 騒音・振動特論 問26は、工場敷地境界の鉛直振動をオクターブバンド分析した結果に対し、16 Hz の振動加速度レベルを15 dB 下げたとき、振動レベルが約何dB低減するかを求める計算問題です。
この問題のポイント
振動レベルは、各オクターブバンドの振動加速度レベルに鉛直振動の感覚補正をかけ、それをエネルギーで合成した総合値です。感覚補正は4〜8 Hzを基準に、高い周波数ほど差し引かれます(8 Hzを基準に1オクターブごとに約6 dB)。分かれ目は、16 Hzは補正後でも大きい帯域ですが、それを15 dB下げても総合値の低下は差し引き約4 dBにとどまることです(他の帯域が残るため、そのまま15 dB下がるわけではありません)。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
計算の手順
- 各バンドに鉛直の感覚補正を加える(低域・高域は差し引かれ、中域4〜8 Hzが最も効く)。
- 補正後のレベルをエネルギー合成〔10 log Σ 10L/10〕して対策前の振動レベルを求める。
- 16 Hz だけを15 dB下げて、もう一度合成する。
- 対策前と対策後の差をとると 約4 dB。
補正後の16 Hz帯域は全体のエネルギーの約6割を占める最大の帯域です。これを15 dB(エネルギーで約1/31.6)下げると、残るのは他帯域の約4割ぶんが中心になり、総合エネルギーは元の約4割に下がります。低下量は −10 log(約0.4)=約4 dBで、選択肢(2)が正解です。
ここが分かれ目
「16 Hzを15 dB下げたから、振動レベルも15 dB下がる」とするのが誤りです。総合値はエネルギーの足し算なので、残りの帯域が消えずに残るかぎり、1つの帯域を大きく下げても総合の低下は限定的です。低減量は残るエネルギーの割合で決まり、−10 log(残る割合)=約4 dBになります。
覚え方
- 振動レベル=感覚補正後のバンドをエネルギー合成。
- 1帯域を大きく下げても、他帯域が残れば総合の低下は限定的。
- 低減量=−10 log(残るエネルギー割合)。
理解度チェック
16 Hz を15 dB下げると、振動レベルも15 dB下がるか?
いいえ。他のバンドが残るため、総合の低下は約4 dBにとどまります。
振動レベルを求めるとき、各バンドはどう扱うか?
鉛直の感覚補正を加えてから、エネルギー〔10 log Σ 10L/10〕で合成します。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月