令和4年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問21を解説|振動の距離減衰
令和4年度 騒音・振動特論 問21は、機械から4 m の点Aで75 dBだった振動レベルが、32 m 離れた敷地境界の点Bで約何dBになるかを求める計算問題です。地盤表面を伝わる波動は表面波とし、地盤の内部減衰係数は0.032とします。
この問題のポイント
地盤振動の距離減衰は、「幾何減衰(距離が離れて広がる分)」と「内部減衰(地盤に吸収される分)」の合計です。表面波は幾何減衰が振幅∝1/√r で、レベルでは 20 log√(rB/rA)=10 log(rB/rA) になります。内部減衰は 8.68・α・(rB−rA)[dB] です。両方を足して元のレベルから引きます。分かれ目は、表面波の幾何減衰が1/√r(実体波の1/rではない)という点です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
計算の手順
- 幾何減衰:10 log(rB/rA)=10 log(32/4)=10 log8≒10×0.903≒9.0 dB。
- 内部減衰:8.68×α×(rB−rA)=8.68×0.032×(32−4)=8.68×0.032×28≒7.8 dB。
- 合計の減衰:9.0+7.8≒16.8 dB。
- 点Bの振動レベル:75−16.8≒58 dB。
点Bの振動レベルは約58 dBで、選択肢(2)が正解です。
ここが分かれ目
表面波の幾何減衰は1/√rで、レベルにすると 10 log(rB/rA) です。地中を伝わる実体波の1/r(=20 log(rB/rA))と取り違えると幾何減衰が過大になります。内部減衰は距離の差(28 m)に比例し、係数 8.68(=10/ln10)に内部減衰係数αをかけて求めます。この2種類の減衰を足し合わせるのが要点です。
覚え方
- 地盤振動の減衰=幾何減衰+内部減衰。
- 表面波の幾何減衰=10 log(rB/rA)(1/√r)。
- 内部減衰=8.68・α・(距離の差)。
理解度チェック
Q.
表面波の幾何減衰はレベルでどう表すか?
振幅が1/√rで減るので、10 log(rB/rA) [dB] です。実体波の1/r(20 log)と混同しないようにします。
Q.
内部減衰は距離の何で決まるか?
距離の差に比例します。8.68×α×(rB−rA) で計算します。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月