令和4年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問2を解説|制振処理による音源対策
令和4年度 騒音・振動特論 問2は、制振処理による音源対策に関する問題です。制振の仕組みや使いどころについての記述のうち、不適当なものを選びます。
この問題のポイント
制振処理は、鉄板などの弾性体が振動して音を出すとき、その板に減衰性の高い材料を貼って振動エネルギーを熱に変えて散逸させる対策です。効き目の大小を決めるのは、貼る場所での「変形の大きさ」です。板がぐいぐい曲がる(曲げ変形やひずみが大きい)部分に貼るほど、変形にともなってエネルギーが多く消費され、よく効きます。引っかけは、この貼る位置を「振動速度が大きいところ」とすり替えている記述です。制振は速度そのものではなく変形で効くため、そこが不適当になります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 理由 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 制振で減衰係数が大きくなり、振動振幅が早く減衰して発生音が下がる、という制振の基本作用そのものです。 |
| (2) | ○(正しい) | たたくような機械的な加振で板が鳴る音は、制振材料を貼ることで低減できます。 |
| (3) | ○(正しい) | 空気音で加振される場合は、貼った材料の質量が増える分だけ遮音的な低減が見込めます。 |
| (4) | ×(誤り) | 貼る位置を「振動速度の大きいところ」としている点が不適当。制振は曲げ変形の大きい部位で効きます。 |
| (5) | ○(正しい) | 制振は、機械的な加振で生じる音を下げたいときに有効な手段です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
制振材料は、板の変形(ひずみ)にともなって内部で振動エネルギーを熱に変えます。したがって効き目が大きいのは、板が大きく曲がる曲げ変形・ひずみの大きい部位です。選択肢(4)は貼る位置を「振動速度の大きいところ」と述べていますが、制振の効果を決めるのは速度そのものではなく変形の大きさです。ここが逆にすり替えられているため不適当になります。なお空気音で加振される場面では、制振材の効果は主に質量増加による遮音的な寄与にとどまる点も押さえておきます。
覚え方
- 制振=振動エネルギーを熱に変えて散逸させる対策。
- 貼る場所は「曲げ変形の大きいところ」。振動速度が大きいところ、ではない。
- 空気音で鳴る板への制振は、質量増加ぶんの遮音効果が中心。
理解度チェック
Q.
制振材料は、板のどこに貼ると効果が大きい?
板が大きく曲がる曲げ変形(ひずみ)の大きい部位です。変形にともなってエネルギーが熱に変わるためです。
Q.
制振処理で音が下がる仕組みは?
減衰係数が大きくなって振動振幅が早く減衰し、板から出る音が低減されます。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月