令和3年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問5を解説|遮音塀の回折減衰
令和3年度 騒音・振動特論 問5は、点音源からの騒音を遮音塀(へい)で遮ったときの回折減衰に関する計算問題です。周波数340 Hzの音を受音点Pで16 dB減らすために必要な塀の高さ(地表面から頂点まで)を、少なくとも約何mにすればよいかを求めます。
この問題のポイント
塀の効き目は、音が塀の頂点を回り込むときに生じる行路差δ(塀を越える道のりが直線より長くなる分)で決まります。この行路差を波長で無次元化したものがフレネル数 N=2δ/λで、Nが大きいほど減衰量が大きくなります。手順は「波長λを出す → 塀の高さを仮に置いて行路差δを求める → N=2δ/λからマエカワの図で減衰量を読む」。16 dB必要という条件からNを逆算し、塀の高さを求めると約2.5 mとなり、選択肢(2)が正解です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
解き方の手順
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 波長を出す | λ = 音速÷周波数 = 340÷340 = 1 m。 |
| 必要なNを読む | マエカワの図から、16 dBの減衰に対応するフレネル数Nを読み取る(16 dBは概ねN=2前後)。 |
| 行路差δに直す | N=2δ/λより δ=N・λ/2。必要な行路差が定まります。 |
| 高さを逆算 | 音源側・受音点側の斜辺(与えられた√2・√5・√13・√17を利用)から、行路差がδになる塀の高さを求めると約2.5 m。 |
ここが分かれ目
回折減衰は塀の高さそのものではなく、行路差δ(=迂回で伸びる道のり)とフレネル数Nで決まります。したがって、まず波長λ=1 mを出し、必要な減衰量16 dBに対応するNを図から読み、そこからδ、最後に高さへと逆向きにたどるのが正攻法です。高さを直接あてはめようとすると迷います。なお周波数が低い(波長が長い)ほど同じ高さでもNが小さく減衰しにくいので、低音ほど塀は効きにくい、という感覚も押さえておきましょう。
覚え方
- 塀の減衰は行路差δ→フレネル数N=2δ/λ→図で減衰量の順で決まる。
- λ=音速÷周波数。まず波長を出すのが第一歩。
- Nが大きい(=高い塀・高い周波数)ほどよく効く。低音ほど効きにくい。
理解度チェック
遮音塀の減衰量を決める「フレネル数N」は何で表されるか?
N=2δ/λです。δは音が塀を回り込むときに生じる行路差、λは波長。Nが大きいほど減衰量が大きくなります。
同じ高さの塀でも、低い音(低周波)で効きにくいのはなぜか?
波長λが長くなり、フレネル数N=2δ/λが小さくなるからです。Nが小さいほど回折減衰量が小さくなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月