令和3年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問4を解説|面音源の距離減衰
令和3年度 騒音・振動特論 問4は、工場建屋の壁面(面音源)から放射される騒音の距離減衰を求める計算問題です。壁面中心から1 mの地点Pで63 dBのとき、延長線上の地点Q(4 m)と地点R(16 m)の騒音レベルの組合せを選びます。
この問題のポイント
面音源の距離減衰は、距離によって「効き方」が3段階に変わるのがカギです。音源のすぐ近く(面の短辺に比べて近い範囲)ではほとんど減衰しません。少し離れると線音源のように倍距離で3 dB、さらに離れると点音源のように倍距離で6 dB減衰します。切り替わりの目安は、面の短辺・長辺をそれぞれ約π(3.14)で割った距離です。本問では短辺側の境目が約2 m、長辺側が約8 m。この段階分けに沿って足していくと、Q=60 dB、R=51 dBとなり、選択肢(3)が正解です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
解き方の手順
| 区間 | 減衰の効き方と計算 |
|---|---|
| 境目の見積り | 短辺6.3 m÷π≒2 m、長辺25.1 m÷π≒8 m。2 mまで≒減衰なし、2〜8 mは3 dB/倍距離、8 m超は6 dB/倍距離。 |
| P(1 m)→Q(4 m) | 1→2 mは減衰なし。2→4 mは線音源域で倍距離3 dB。よって63−3=60 dB(地点Q)。 |
| Q(4 m)→R(16 m) | 4→8 mは線音源域で−3 dB(57 dB)、8→16 mは点音源域で−6 dB。よって57−6=51 dB(地点R)。 |
| 組合せ | 地点Q=60 dB、地点R=51 dB → 選択肢(3)。 |
ここが分かれ目
点音源のつもりで全区間を倍距離6 dBで計算してしまうのが典型的な誤りです。面音源は近いほど減りにくく、遠ざかるにつれて「減衰なし→3 dB→6 dB」と段階的に効きが強まります。境目の距離(短辺÷π、長辺÷π)を先に出し、各区間がどの段階かを見極めてから足すのがコツです。1 mから2 mまでは減衰ゼロという「最初の据え置き」を忘れると、Qを取り違えます。
覚え方
- 面音源の距離減衰=近い順に「減衰なし → 3 dB → 6 dB」の3段階。
- 境目は短辺÷π、長辺÷π。近くは面、中間は線、遠くは点として扱う。
- 倍距離で線音源3 dB、点音源6 dB。区間ごとに足す。
理解度チェック
面音源のすぐ近くでは、距離を2倍にすると何dB減衰するか?
ほとんど減衰しません(0 dBに近い)。面のすぐ前は音が平面波のように広がるため、距離を離しても弱まりにくいのが特徴です。
段階の境目となる距離は、どう見積もるか?
面の短辺÷πと長辺÷πです。短辺÷πまでは減衰なし、そこから長辺÷πまでは3 dB、それ以遠は6 dBで減衰します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月