令和3年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問3を解説|膨張形消音器の伝達損失
令和3年度 騒音・振動特論 問3は、膨張形消音器の伝達損失が0(dB)になる周波数を式で選ぶ問題です。断面積がS1→S2→S1と変化し、膨張部(膨張室)の長さがl のとき、伝達損失がゼロとなる周波数を、音速c と正の整数n を使って表します。
この問題のポイント
膨張形消音器の伝達損失は、周波数に対して山と谷を繰り返す波打った形になります。谷(=0 dBで音が素通り)になるのは、膨張室の長さl が半波長の整数倍、つまり音が室の中でちょうど整数個の半波長に収まるときです。半波長 λ/2 と長さl の関係 l = n・(λ/2) を周波数 f=c/λ に直すと、f = n・c/(2l) が得られます。これに一致するのが選択肢(2)です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
導き方の手順
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 損失0の条件 | 伝達損失は膨張室の長さと波長の関係で振動し、長さが半波長の整数倍のとき谷(0 dB)になります。 |
| 波長で表す | l = n×(λ/2)。すなわち λ = 2l/n。 |
| 周波数に直す | f = c/λ = c ÷ (2l/n) = n・c/(2l)。 |
| 単位の確認 | c(m/s)÷ l(m)= 1/s=Hz。周波数の単位になる形が正解です。 |
ここが分かれ目
混同しやすいのは、伝達損失が最大になる周波数とゼロになる周波数です。最大(山)は長さが1/4波長の奇数倍のときで、c/(4l)を基準に並びます。一方ゼロ(谷)は長さが半波長の整数倍のときで、c/(2l)を基準に並びます。本問が問うのは「0 dBになる周波数」なので、選ぶべきは半波長の側の f=n・c/(2l)です。さらに、c と l を掛け算・割り算したとき単位がHz(1/s)になるかを確かめると、l/c のような時間の単位になる式を除外できます。
覚え方
- 膨張形の伝達損失が0(谷)=長さが半波長の整数倍、最大(山)=1/4波長の奇数倍。
- 0の周波数は f=n・c/(2l)。山は c/(4l)基準、谷は c/(2l)基準。
- 迷ったら単位チェック。c/l がHzになる式を選ぶ。
理解度チェック
膨張形消音器の伝達損失がゼロになるのは、膨張室の長さがどんなときか?
半波長(λ/2)の整数倍のときです。このとき音がほぼ素通りし、伝達損失は0 dBになります。周波数は f=n・c/(2l)。
式の候補から正解を素早く絞るコツは?
単位を確かめることです。c(m/s)÷l(m)=Hzになる形(c/lの形)が周波数で、l/cの形は時間なので除外できます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月