令和2年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問8を解説|多孔質吸音材料
令和2年度 騒音・振動特論 問8は、吸音材として用いられる多孔質材料に関する問題です。多孔質材料の性質について、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
多孔質材料は、細孔を出入りする空気の粘性摩擦で音のエネルギーを熱に変えて吸音します。高音域で吸音率が大きく、厚くするほど、また背後に空気層を置くほど低音域まで吸音が及びます。逆に表面を塗装したり細孔を詰めると性能が下がります。分かれ目は、吸音率が「音圧の大きさ」で変わるかのような記述です。吸音率は材料の性質(流れ抵抗・厚さ)と周波数で決まり、音の大小には依存しません。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 多孔質材料は高音域で吸音率が大きくなります。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 厚さを増すと低音域まで吸音が及び、吸音率が増えます。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 表面が塗装されたり細孔が詰まると、空気が出入りできず性能が低下します。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 背後に空気層を置くと、厚くしたのと似た低音域の吸音率増加を示します。正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | 吸音率は材料の性質と周波数で決まり、音圧が大きいほど効率よく熱に変わるわけではありません。誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
多孔質材料の吸音は、細孔を出入りする空気の粘性摩擦で音のエネルギーを熱に変える仕組みです。その割合=吸音率は、材料の流れ抵抗・厚さ・背後空気層・周波数で決まります。通常の音の範囲では現象は線形で、入射エネルギーに比例して吸音される量が増えるだけで、音圧が大きいほど吸音率そのものが上がるわけではありません。選択肢(5)は、音圧が大きいほど効率よく熱に変換されるとしている点が誤りです。
覚え方
- 多孔質吸音=空気の粘性摩擦で熱に変える、高音ほど得意。
- 低音を吸うには=厚くする/背後に空気層。表面を塞ぐと低下。
- 吸音率は音圧の大小で変わらない(材料と周波数で決まる)。
理解度チェック
Q.
多孔質吸音材で低音域の吸音を改善するにはどうするか?
材料を厚くするか、剛壁との間に背後空気層を設けます。どちらも低音まで吸音が及びます。
Q.
吸音率は音圧レベルが大きいほど高くなるか?
なりません。吸音率は材料の流れ抵抗・厚さ・周波数で決まり、音圧の大小には依存しません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月