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令和元年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問29を解説|防振対策による振動レベルの低減

令和元年度 騒音・振動特論 問29は、オクターブバンド分析の結果をもとに、16 Hzの振動加速度レベルを10 dB下げたとき振動レベルが何dB下がるかを求める計算問題です。低減量の正しい数値を選びます。

この問題のポイント

振動レベルは、各バンドの振動加速度レベルに鉛直方向の振動感覚補正を加えてからエネルギー合成した量です。補正は4〜8 Hzで最大(ほぼ0 dB)、8 Hzを超えると1オクターブごとに約6 dB下がります。分かれ目は、生の加速度レベルではなく補正後のレベルで全体を支配しているバンドを見ることです。この問題では補正後に8 Hzと16 Hzがともに約66 dBで並び、合成で対策前は約69 dBになります。低減する16 Hzはもう一方の8 Hzと同じ高さなので、16 Hzだけを10 dB下げても全体は約3 dBしか下がりません。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)

各選択肢の正誤

選択肢低減量判定
(1)1 dB× 8 Hzと16 Hzが並んでいるので、これより下がります。
(2)3 dB○ 約69 dBが約66 dBになり、低減量は約3 dBです。
(3)5 dB× 8 Hzが残るため、ここまでは下がりません。
(4)7 dB× 16 Hz単独の低減量(10 dB)と混同しています。
(5)9 dB× 加速度レベルの低減量をそのまま全体の低減量にしています。

計算の手順

まず各バンドの振動加速度レベルに鉛直感覚補正を加え、補正後のレベルを出します(2 Hzは約−3、4〜8 Hzは約0、16 Hzは約−6、31.5 Hzは約−12、63 Hzは約−18 dB)。

  • 8 Hz:66+0 = 66
  • 16 Hz:72−6 = 66
  • 4 Hz:40+0 = 40、2 Hz:37−3 = 34、31.5 Hz:54−12 = 42、63 Hz:59−18 = 41

補正後は8 Hzと16 Hzがともに約66 dBで、これらをエネルギー合成すると約69 dB(同じ大きさが2つで+3 dB)。他のバンドは十分低く、全体への寄与はほぼありません。よって対策前の振動レベルは約69 dBです。

次に16 Hzの加速度レベルを10 dB下げると、16 Hzの補正後は66→56 dBになります。残る8 Hzの約66 dBに56 dBを合成しても、差が10 dBあるためほとんど増えず、対策後は約66 dBです。したがって低減量は 69−66 = 約3 dBで、正解は選択肢(2)です。加速度レベルを10 dB下げても、もう一方の8 Hzが同じ高さで残るため、全体はそこまで下がりません。

覚え方

  • 振動レベルは感覚補正後にエネルギー合成してから低減量を見る。
  • 同じ高さのバンドが2つ並ぶと合成で+3 dB、片方を下げても全体は約3 dBしか下がらない。
  • あるバンドの低減量=全体の低減量、ではない。

理解度チェック

Q.

16 Hzを10 dB下げたのに、全体は約3 dBしか下がらないのはなぜ?

補正後に8 Hzが16 Hzと同じ約66 dBで残るためです。片方を下げても、もう片方が全体を支えます。

Q.

同じ大きさのバンドが2つあるとき、合成すると何dB上がる?

約3 dBです。等しい2つのエネルギーを足すと2倍になり、10log2≒3 dB増えます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF