令和元年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問4を解説|遮音塀による減音量の差
令和元年度 騒音・振動特論 問4は、2つの点音源A・Bと受音点Cの間に十分長い遮音塀を置いたとき、AからCへの減音量とBからCへの減音量の差を求める計算問題です。音速340 m/s、周波数500 Hzとします。
この問題のポイント
塀の回折による減音量は、音が塀の上端を回り込むことで生じる行路差で決まります。行路差が大きいほど減音量が大きく、その大小を橋渡しするのがフレネル数です。分かれ目は「AとBそれぞれの行路差を正しく作る」ことで、行路差=(音源→塀上端→受音点の距離)−(音源→受音点の直達距離)です。両者のフレネル数を出して回折減音量を比べると、差は約2 dBになり、選択肢(1)になります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 理由 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 行路差からフレネル数を求め回折減音量を比べると差は約2 dB。 |
| (2) | ×(誤り) | 約4 dBは差を過大に見積もった値。 |
| (3) | ×(誤り) | 約6 dBは行路差や波長の取り方を誤った場合の値。 |
| (4) | ×(誤り) | 約8 dBは差が大きすぎ、2つのフレネル数の比と合いません。 |
| (5) | ×(誤り) | 約10 dBは明らかに過大です。 |
選択肢(1)を導く手順
まず波長を出します。λ = 音速 ÷ 周波数 = 340 ÷ 500 = 0.68 m。
- 音源Aの行路差 δA =(AO+OC)−AC =(2.0+2.0)−2.0 = 2.0 m。
- 音源Bの行路差 δB =(BO+OC)−BC =(1.4+2.0)−2.1 = 1.3 m。
- フレネル数 N = 2δ/λ。NA = 2×2.0/0.68 ≒ 5.9、NB = 2×1.3/0.68 ≒ 3.8。
どちらも N が1よりかなり大きい範囲なので、回折減音量はおおよそ 10 log(20N)付近で増えます。この範囲では2つの差が「N の比の対数」に近づき、10 log(NA/NB)= 10 log(5.9/3.8)≒ 10 log 1.55 ≒ 約2 dB。したがってAとCの減音量とBとCの減音量の差は約2 dBで、選択肢(1)です。行路差の作り方(回り込む経路の和から直達距離を引く)を間違えないことが最大のポイントです。
覚え方
- 塀の回折減音量は行路差δ→フレネル数N=2δ/λの順で決まる。
- 行路差=(音源→塀上端→受音点)−(音源→受音点の直達)。
- N が大きい者どうしの差は、Nの比の対数(10 log の比)でざっくり読める。
理解度チェック
遮音塀の回折減音量を決める「行路差」とは何か?
音が塀の上端を回り込む経路の長さ(音源→上端→受音点)から、直達距離(音源→受音点)を引いた差です。大きいほど減音量が増えます。
周波数500 Hz、音速340 m/sのとき波長は?
0.68 mです。λ=340÷500=0.68 m。フレネル数N=2δ/λに使います。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月