令和4年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問17を解説|オクターブバンドと騒音レベル
令和4年度 騒音・振動概論 問17は、オクターブバンドごとのA特性音圧レベルから、全体の騒音レベルを求める計算問題です。8つのバンドのレベルを合成した値に最も近いものを選びます。
この問題のポイント
バンドごとのレベルは対数量なので、そのまま足したり平均したりできません。いったんエネルギー(パワー)に直して合計し、再び対数に戻します。今回の最大値は500 Hzの82 dB。ここに他のバンドのエネルギーが加わるので、全体は最大値より数dB大きくなります。感覚的には「一番大きいバンド+数dB」。算術和(69+72+…)や単純平均に引っかからないことが分かれ目で、合成値は約86 dBになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | × | 76 dBは最大バンドの82 dBより小さく、合成値としてあり得ません。 |
| (2) | × | 80 dBはエネルギー合成の結果に足りません。 |
| (3) | × | 83 dBは82 dBに1バンド分足した程度で、過小です。 |
| (4) | ○(正解) | 全8バンドをエネルギー合成すると約86 dB。これが最も近い値です。 |
| (5) | × | 89 dBは合成値より大きすぎます。 |
オクターブバンドの合成
騒音レベルの合成はエネルギー和で行います:L=10 log(Σ 10(Li/10))。各バンド 69・72・78・82・76・79・72・66(dB)を 10(Li/10) に直して合計するとおよそ 3.8×108 となり、10 log(3.8×108)≒86 dB です。手計算では大きい順に2つずつ合成すると速く、レベル差0で+3 dB、差3で+約1.8 dB、差が10以上なら無視という目安を使います。82と79(差3)で約83.8、これに78を足して約85、さらに79・76…を加えていくと86 dB付近に収束します。大切なのは単純な算術和や平均ではなく、必ずパワー合成で考えることです。
覚え方
- 騒音レベルの合成=エネルギー和 10 log(Σ10(Li/10))。
- 合成後は必ず最大バンド以上(今回は82 dB+数dB=86 dB)。
- レベル差0で+3 dB、差が10 dB以上なら小さい方は無視。
理解度チェック
レベルの異なるバンドを合成するとき、単純に足してよい?
だめです。各レベルをエネルギー(10(L/10))に直して合計し、対数に戻します。
合成後の騒音レベルは最大バンドより大きい?小さい?
必ず大きくなります(他のバンドのエネルギーが加わるため。少なくとも最大バンドと同じ以上)。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月