令和4年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問10を解説|最小可聴値と等ラウドネス曲線
令和4年度 騒音・振動概論 問10は、最小可聴値と等ラウドネスレベル曲線のグラフから、人の聴覚特性について読み取れることを問う問題です。5つの記述のうち、正しいものを選びます。
この問題のポイント
等ラウドネスレベル曲線は、周波数の違う純音が「同じ大きさ(ラウドネス)」に聞こえる音圧レベルを結んだ曲線で、単位はphon(ホン)です。最小可聴値(聞こえる限界)はおよそ2000〜4000 Hzの中音域で最も低く、低い周波数や高い周波数になるほど高くなります。つまり耳の感度は周波数で大きく変わるのがこのグラフの主題です。分かれ目は「周波数によらず」「常に」といった言い切りや、phon(ラウドネスレベル)とsone(ラウドネス=大きさの倍率)の取り違え。感度が最も高い中音域では0 dBを下回る音でも聞こえること、phonが40増えるとラウドネスは約16倍になることを押さえると、正しい記述だけが残ります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(正しい記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 最小可聴値は周波数で変わり、感度が高い中音域では0 dB未満の音も聞こえます。「周波数によらず」と決めつける点が誤りです。 |
| (2) | ×(誤り) | 1000 Hzより低くなると最小可聴値は上がり、感度は低下します。「感度が上昇していく」は逆向きです。 |
| (3) | ○(正しい) | 中音域ほど感度が高いため、2000 Hz・40 dBと250 Hz・50 dBはほぼ同じ等ラウドネス曲線上に乗り、同じ大きさに聞こえます。 |
| (4) | ×(誤り) | 周波数が違えば感度差で大小が逆転することもあるため、「常に大きく聞こえる」は成り立ちません。 |
| (5) | ×(誤り) | ラウドネスレベルが40 phon増えると大きさ(sone)は約16倍で、2倍ではありません。 |
選択肢(3)のポイント(ここが正解)
耳の感度はおよそ2000〜4000 Hzの中音域で最も高く、同じ大きさに聞こえるのに必要な音圧レベルは、中音域で低く、低音域や高音域で高くなります。2000 Hzは250 Hzより感度が高いため、2000 Hzでは40 dB、250 Hzでは50 dBと、より小さな音圧レベルでも同じラウドネス曲線上に乗ります。だから両者はほぼ同じ大きさに聞こえるわけで、選択肢(3)が正しい読み取りです。誤り肢のうち(1)は「周波数によらず」と決めつける点が誤りで、実際は中音域で0 dBを下回る音も聞こえます。(5)はphon(ラウドネスレベル)とsone(ラウドネス)を混同したもので、phonが10増えるごとにラウドネスは約2倍、40 phon差なら2の4乗で約16倍です。
覚え方
- 最小可聴値が最も低い=感度が最も高いのは中音域(2000〜4000 Hz付近)。
- ラウドネスレベルphonが10増えるごとにラウドネス(sone)は約2倍。
- 40 phon=1 soneを基準に、80 phonは約16倍(2倍ではない)。
理解度チェック
ラウドネスレベルが40 phon増えると、音の大きさは約何倍になる?
約16倍です。10 phonごとに約2倍なので、40 phon差では2の4乗で約16倍になります。
最小可聴値が最も低くなる(最も感度が高い)のはどのあたりの周波数?
おおむね2000〜4000 Hzの中音域です。低音域や高音域では最小可聴値が上がり、感度は下がります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月