令和7年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問11を解説|BOD汚泥負荷の計算
令和7年度 汚水処理特論 問11は、活性汚泥法のBOD汚泥負荷を求める計算問題です。沈殿池でSSを除いた越流水を曝気槽で処理する条件から、負荷を計算します。
この問題のポイント
BOD汚泥負荷は「曝気槽に入るBOD量」を「曝気槽の汚泥量(MLSS量)」で割った値で、活性汚泥1kgあたり1日に処理するBODの量を表します。この問題の分かれ目は、曝気槽に入るのは流入排水そのものではなく、沈殿池で懸濁性BODが一部除かれた越流水だという点です。溶解性BODは沈殿池をそのまま通り抜けますが、懸濁性BODは沈降して80%が除かれます。ここを見落として流入BODをそのまま使うと過大な答えになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 値 | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | 0.10 | 小さすぎます。越流水BODを過小に見積もると出る値です。 |
| (2) | 0.15 | 正しい値。越流水BOD 300 mg/L から求めた負荷です。 |
| (3) | 0.20 | 合いません。懸濁性BODの除去を考えない値に近づきます。 |
| (4) | 0.28 | 合いません。 |
| (5) | 0.32 | 合いません。流入BOD 500をそのまま使うと近い値になります。 |
選択肢(2)のポイント(計算の手順)
順に整理します。
- 越流水のBOD濃度を出す:流入BOD 500 mg/L のうち溶解性が半分の250 mg/L、懸濁性が半分の250 mg/L。懸濁性の80%が沈殿池で除かれるので残りは20%=50 mg/L。溶解性はそのまま通るので、越流水BOD = 250+50 = 300 mg/L。
- 曝気槽に入るBOD量(kg/日):300 mg/L × 100 m³/日 = 30000 g/日 = 30 kg BOD/日。
- 曝気槽のMLSS量(kg):MLSS 2000 mg/L × 容積100 m³ = 200000 g = 200 kg。
- BOD汚泥負荷:30 ÷ 200 = 0.15 kg BOD/(kg MLSS・日)。
流入BOD 500をそのまま使うと0.30前後となり、選択肢(5)に引き込まれます。沈殿池で懸濁性BODが減ることを織り込むのが正解への鍵です。
覚え方
- BOD汚泥負荷 = 入るBOD量 ÷ 曝気槽のMLSS量(単位は kg BOD/(kg MLSS・日))。
- 曝気槽に入るのは沈殿池の越流水。溶解性はそのまま、懸濁性は沈降して減る。
- mg/L × m³ ÷ 1000 = kg。濃度×流量で量に直す手順を固定化する。
理解度チェック
Q.
沈殿池の越流水のBODを求めるとき、溶解性BODと懸濁性BODの扱いはどう違う?
溶解性BODは沈殿池をそのまま通り抜け、懸濁性BODは沈降して一部が除かれます。この問題では懸濁性の80%が除かれ、残り20%だけが越流します。
Q.
BOD汚泥負荷の分母(割る量)は何?
曝気槽のMLSS量(kg)です。MLSS濃度×曝気槽容積で求めます。この問題では 2000 mg/L×100 m³=200 kg です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年6月