令和7年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問12を解説|汚泥滞留時間の計算
令和7年度 汚水処理特論 問12は、活性汚泥法の汚泥滞留時間(SRT)を求める計算問題です。除去BODから生じる汚泥量と自己酸化による減少を考えて算出します。
この問題のポイント
汚泥滞留時間(SRT)は「曝気槽にある汚泥量」を「1日に系外へ出る余剰汚泥量」で割った値で、汚泥が処理系に滞在する平均日数を表します。この問題の分かれ目は、余剰汚泥量を「除去BODから増える分」だけで考えず、内生呼吸(自己酸化)で減る分を差し引く点です。汚泥は増えるだけでなく、自分自身を分解してエネルギーを得るため目減りします。両者の差し引きが正味の汚泥生成量=余剰汚泥量になります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 値(日) | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | 6 | 合いません。 |
| (2) | 7 | 合いません。自己酸化を大きく見積もると近づきます。 |
| (3) | 8 | 合いません。 |
| (4) | 9 | 合いません。 |
| (5) | 10 | 正しい値。余剰汚泥量 約39.4 kg/日 でMLSS量 400 kg を割ると約10日です。 |
選択肢(5)のポイント(計算の手順)
順に整理します。
- 除去BOD量(kg/日):220 mg/L × 500 m³/日 × 除去率0.90 = 99 kg BOD/日。
- 曝気槽のMLSS量(kg):MLSS 2000 mg/L × 容積200 m³ = 400 kg。
- 汚泥の生成(転換)分:除去BOD量 × 転換率0.6 = 99 × 0.6 = 59.4 kg/日。
- 自己酸化(内生呼吸)で減る分:自己酸化率0.05/日 × MLSS量400 kg = 20 kg/日。
- 余剰汚泥量(正味の生成量):59.4 − 20 = 39.4 kg/日。
- 汚泥滞留時間(SRT):MLSS量400 ÷ 余剰汚泥量39.4 = 約10.2 ≒ 10日。
もし自己酸化分を引き忘れると分母が59.4となり、SRTは約6.7日(選択肢(1)寄り)になります。増える分から減る分を引くのがこの問題の核心です。
覚え方
- SRT = 曝気槽のMLSS量 ÷ 余剰汚泥量(汚泥が系に居座る平均日数)。
- 余剰汚泥量 = 除去BOD×転換率 − 自己酸化率×MLSS量。引き算を忘れない。
- 転換率は増える側、自己酸化率は減る側。符号の向きを取り違えない。
理解度チェック
Q.
余剰汚泥量を求めるとき、なぜ自己酸化分を引くの?
汚泥は内生呼吸(自己酸化)で自分自身を分解して減るからです。除去BODから増える分だけ数えると過大評価になるため、自己酸化で減る分を差し引いた正味量を使います。
Q.
SRTの分母(割る量)は何?
1日に系外へ出る余剰汚泥量(kg/日)です。この問題では汚泥生成量=余剰汚泥量とみなし、約39.4 kg/日 になります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年6月