令和5年度 汚水処理特論 問14は、好気ろ床法に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
好気ろ床法は、ろ材の表面に微生物を付着させて育てる生物膜法の一種です。微生物が膜となってろ材にとどまり続けるため、水と一緒に流れ去らずに系内に長く保持されます。ここが引っかけの核心で、選択肢(5)は増殖の遅い硝化細菌をほとんど保持できないと述べていますが、これは逆です。付着して長くとどまれる生物膜法だからこそ、増えるのが遅い硝化細菌でも洗い流されずに保持でき、硝化に有利という性質を持ちます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 固体表面に付着した微生物で処理する方式で、生物膜法に分類されます。分類の定義どおりの正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 下向流式は上部から排水を流入させ、ろ床下部から空気を吹き込みます。流れと送気の方向を述べた正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | ろ材表面の微生物による酸化分解とSSの捕捉が同時に進みます。生物処理とろ過を兼ねる正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 捕捉したSSでろ床が閉塞するため、空気と処理水による逆洗を行います。維持管理の実際どおりの正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | 硝化細菌などをほとんど保持できないとする点が誤りです。付着保持できる生物膜法なので、増殖の遅い硝化細菌も保持しやすい方式です。 |
活性汚泥法のように微生物が水中を浮遊する方式では、増殖の遅い菌は汚泥の引き抜きとともに流出しやすく、保持が難しくなります。これに対し好気ろ床法は微生物がろ材に付着して膜を作るため、水流に持ち去られず系内に長くとどまります。だからこそ世代交代の遅い硝化細菌でも蓄積でき、硝化が進みやすいのが長所です。選択肢(5)はこの長所を「ほとんど保持できない」と正反対に書いている点が誤りです。付着保持=遅い菌に強い、という方向を取り違えないことが分かれ目です。
好気ろ床法は、増殖の遅い硝化細菌を保持しやすい?しにくい?
保持しやすいです。微生物がろ材に付着して膜を作るため水流で流れ去らず、世代交代の遅い硝化細菌でも系内にとどまります。
好気ろ床法はどの処理方式に分類される?
生物膜法です。固体(ろ材)表面に付着した微生物で処理します。微生物が水中を浮遊する活性汚泥法(浮遊法)とは対照的です。
この問題に関連する用語解説
出典
※ この記事の確認日:2026年6月