令和5年度 汚水処理特論 問5は、酸化還元電位を定義するネルンストの式の空欄ア~エに記号を当てはめ、正しい組合せを選ぶ問題です。
酸化還元電位 E は、基準となる標準酸化還元電位 E0 に、温度や電子の移動数で決まる補正項を足した形で表されます。この式の骨組みは E=E0+(RT/nF)ln([Ox]/[Red]) です。ここが分かれ目で、定数項は標準酸化還元電位 E0、係数の分子は気体定数 R、分母は移動電子数 n とファラデー定数 F、対数の中身は酸化剤を分子・還元剤を分母にした活量比です。R と E0 を取り違えたり、[Ox] と [Red] の上下を逆にしたりしないことが鍵です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ア=E0、イ=R、ウ=F、エ=[Ox]/[Red]。ネルンスト式の正しい配置で、正解です。 |
| (2) | ×(誤り) | イとウのR・Fが入れ替わっています。係数の分子はR、分母はnFです。 |
| (3) | ×(誤り) | R・Fが逆で、さらに対数の中身が[Red]/[Ox]と上下逆です。 |
| (4) | ×(誤り) | ア=Rとしており、定数項がE0でないため誤りです。 |
| (5) | ×(誤り) | ア=Rに加え、対数の中身も[Red]/[Ox]と逆で誤りです。 |
ネルンストの式で押さえるべき骨格は二つです。一つめは定数項がE0(標準酸化還元電位)であること。基準となる電位に補正を足す形なので、先頭はE0で、Rを置くのは誤りです。二つめは対数の中身が[Ox]/[Red]、つまり酸化剤が分子・還元剤が分母という向きです。酸化剤の活量が大きいほど電位は高くなる、という性質に合わせた配置で、上下を逆にすると符号の向きが狂います。係数 RT/nF は、分子に気体定数R・絶対温度T、分母に移動電子数n・ファラデー定数Fが入ります。この三点を満たすのは選択肢(1)だけです。
ネルンスト式の対数の中身は、[Ox]/[Red]と[Red]/[Ox]のどちら?
[Ox]/[Red]です。酸化剤を分子、還元剤を分母にとります。酸化剤の活量が大きいほど電位が高くなる関係に対応します。
係数RT/nFの分母nFのnとFは何を表す?
nは移動する電子のモル数、Fはファラデー定数です。分子のRは気体定数、Tは絶対温度です。
この問題に関連する用語解説
出典
※ この記事の確認日:2026年6月