令和4年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問2を解説|無機排水の処理選択
令和4年度 汚水処理特論 問2は、無機性の工場排水の処理法の選択に関する問題です。最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
排水処理は、まず簡単で安い方法から試し、目標水質に届かなければ次の手段へ段階的に進めます。浮遊物質なら普通沈殿→凝集沈殿、有害物質が残れば化学的処理、それでも不足なら吸着やイオン交換、という順序が基本です。引っかけの核心は、無機性の排水に活性汚泥処理を持ち出す点です。活性汚泥処理は微生物が有機物を分解する生物処理なので、有機物の乏しい無機性排水には向きません。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(最も不適切な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 静置沈降試験で短時間に目標水質へ届くなら、まず普通沈殿法を検討します。適切な流れです。 |
| (2) | ○(正しい) | 普通沈殿で足りなければ、凝集剤でフロックを作る凝集沈殿へ進むのが順当です。適切な流れです。 |
| (3) | ×(誤り) | 無機性排水に活性汚泥処理(生物処理)を選ぶ流れが不適切です。有機物が乏しく微生物が働きにくい対象です。 |
| (4) | ○(正しい) | 有害物質が残る場合は、pH調整・硫化物添加・酸化還元などの化学的方法を検討します。適切な流れです。 |
| (5) | ○(正しい) | 沈殿や化学的処理で不足なら、吸着処理やイオン交換処理へ進みます。適切な流れです。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
活性汚泥処理は、曝気槽の微生物が排水中の有機物を栄養として食べて分解する生物処理です。したがって、金属イオンや塩類などが主体で有機物の少ない無機性排水では、微生物のえさが乏しく生物処理はうまく機能しません。無機性排水で沈殿や凝集沈殿でも目標に届かないときに次に検討すべきなのは、吸着処理やイオン交換処理など物理化学的な方法です。選択肢(3)は無機性排水の次段に活性汚泥処理を置いている点が処理法選択として不適切です。
覚え方
- 活性汚泥=有機物を食べる生物処理。無機性排水には不向き。
- 無機排水は 沈殿→凝集沈殿→(化学処理)→吸着・イオン交換 の順で選ぶ。
理解度チェック
Q.
無機性排水に活性汚泥処理は適している?
いいえ。活性汚泥処理は微生物が有機物を分解する生物処理なので、有機物の少ない無機性排水には向きません。
Q.
沈殿や化学的処理でも目標水質に届かない無機排水は、次に何を検討する?
吸着処理やイオン交換処理です。物理化学的に溶存成分を取り除く方法へ進みます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月