令和3年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問19を解説|凝集沈殿の維持管理
令和3年度 汚水処理特論 問19は、凝集沈殿処理の維持管理に関する問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
凝集沈殿の維持管理では、ジャーテストによる条件把握、寒冷地での凝集剤の凍結対策、沈殿池の詰まり除去や越流堰の調整・スカム清掃、傾斜板の洗浄などが正しい管理項目です。分かれ目は沈殿汚泥の引き抜き方。後段の脱水・処分の負担を軽くするため、汚泥はできるだけ高濃度(濃縮した状態)で引き抜くのが基本で、間隔を短くすれば水を多く含む薄い汚泥になります。この向きを逆に書いた記述が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 異なる日時の排水でジャーテストを重ね、水質指標と処理条件の関係を把握すると運転管理が容易になります。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 液体の凝集剤は寒冷地で凍結温度以下にならないよう注意します。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 流入部の詰まり除去、越流堰の傾き調整、スカムや藻類の清掃で短絡流や偏流を防ぎます。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 汚泥は高濃度で引き抜くのが基本です。低濃度で排出するために間隔を短くするという記述が誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | 傾斜板の上に汚泥が堆積して閉塞するので、適宜洗浄が必要です。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
沈殿した汚泥は、後段の濃縮・脱水・処分の負担を減らすため、できるだけ濃縮した高濃度の状態で引き抜くのが基本です。引き抜きの間隔を短く(頻繁に)すると、まだ十分に濃縮していない水分の多い薄い汚泥を抜くことになり、汚泥量が増えて処理効率が下がります。選択肢(4)は「できるだけ低濃度で排出するため引き抜き間隔を短く」とする点が誤りで、狙うべき向きが逆です。ただし引き抜きを長く放置しすぎると、汚泥が腐敗して浮上するなどの不具合が出るため、実際は濃縮の度合いを見ながら適切な間隔で引き抜きます。
覚え方
- 沈殿汚泥は高濃度で引き抜く。頻繁すぎる引き抜きは薄い汚泥。
- ジャーテストは日時を変えて実施し、水質と条件の関係を把握。
- 液体凝集剤は寒冷地で凍結注意。傾斜板は堆積・閉塞を防ぐため洗浄。
理解度チェック
Q.
沈殿汚泥は高濃度と低濃度、どちらで引き抜くのが基本?
高濃度です。濃縮した状態で引き抜くと汚泥量を抑えられ、後段の処分が楽になります。
Q.
引き抜き間隔を短くしすぎると何が起きる?
水分の多い薄い汚泥を抜くことになり、汚泥量が増えて処理効率が下がります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月