令和2年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問5を解説|凝集分離
令和2年度 汚水処理特論 問5は、凝集分離の基本に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
凝集分離は、水中で安定に分散している微細な粒子(コロイド)の荷電を凝集剤で中和し、互いにくっつけて大きな塊(フロック)に育てて沈めやすくする処理です。無機凝集剤の種類、添加量を決めるジャーテスト、撹拌の強さと最適条件など、周辺知識も問われます。引っかけの核心は用語の定義で、凝集して生じた粗大粒子を「コロイド」と呼ぶという一文です。コロイドは凝集する前の微細な分散粒子を指し、凝集後の塊はフロックなので、名前が入れ替わっています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 凝集して生じた粗大粒子を「コロイド」と呼ぶ、とする点が誤りです。凝集後の塊はフロックで、コロイドは凝集前の微細な分散粒子です。 |
| (2) | ○(正しい) | 安定な微粒子分散系に反対荷電の微粒子やイオンを加えて荷電を中和すると凝集が起こります。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 代表的な無機凝集剤に硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸鉄(II)、塩化鉄(III)などがあります。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 水質分析値から添加量を推定できない場合は、ジャーテストで実験的に決定します。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 撹拌が強すぎると凝集体が壊れて再分散するため、系ごとに最適な撹拌条件があります。正しい記述です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
コロイドは、水中で安定に分散している非常に細かい粒子のことで、そのままでは沈みません。凝集剤で荷電を打ち消して互いにくっつけ、大きく育てた塊がフロックで、これが沈降・分離の対象になります。選択肢(1)は「凝集して生じる粗大粒子をコロイドという」と、フロックとコロイドの名前を入れ替えている点が誤りです。処理の流れでいえば、コロイド(凝集前)→フロック(凝集後)という順に育っていきます。
覚え方
- コロイド=凝集前の微細粒子/フロック=凝集後の粗大な塊。
- 凝集は反対荷電で荷電中和。撹拌が強すぎるとフロックが壊れる。
- 添加量が読めなければジャーテストで実験決定。
理解度チェック
Q.
凝集して生じた大きな塊は何と呼ぶ?
フロックです。コロイドは凝集する前の微細な分散粒子で、名前を取り違えないよう注意します。
Q.
凝集剤の添加量を水質分析から決められないときはどうする?
ジャーテストで実験的に決めます。撹拌条件も系ごとに最適点があるため、あわせて確認します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月