令和2年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問4を解説|沈殿池の分離効率
令和2年度 汚水処理特論 問4は、横流式沈殿池の分離効率を、沈降速度分布曲線から読み取る問題です。5種類の排水A〜Eのうち、粒子の分離効率が最も高くなるものを選びます。
この問題のポイント
横流式沈殿池では、池の表面積あたりに流す水量、すなわち表面負荷率(=流量÷表面積)が分離のカギになります。この表面負荷率と同じ沈降速度をもつ粒子が完全に除去される境目で、これより速い粒子はすべて沈み、遅い粒子は沈降速度に比例した割合だけ除去されます。したがって、沈降速度分布が大きい速度側に寄っている排水ほど分離効率が高くなります。まず表面負荷率を求め、それを基準に分布を読み比べるのが手順です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | × | 排水A。表面負荷率40 cm/hを基準にすると、最も高い分離効率にはなりません。 |
| (2) | × | 排水B。分布が速い側に十分寄っておらず、最大にはなりません。 |
| (3) | ○(正しい) | 排水C。沈降速度分布が大きい速度側に最も寄っており、表面負荷率40 cm/hのもとで分離効率が最も高くなります。 |
| (4) | × | 排水D。遅い粒子の割合が多く、除去率は劣ります。 |
| (5) | × | 排水E。沈降の遅い粒子が多く、最大にはなりません。 |
計算の手順
まず横流式沈殿池の表面負荷率を求めます。
- 表面負荷率 = 流量 ÷ 表面積 = 40 m3/h ÷ 100 m2 = 0.4 m/h = 40 cm/h
この40 cm/hが分離の境目です。沈降速度が40 cm/h以上の粒子は理想的にはすべて沈んで除去され、40 cm/h未満の粒子は(沈降速度)÷40の割合だけ除去されます。したがって全体の分離効率は、沈降速度分布のうち速い側にどれだけ粒子が集まっているかで決まります。沈降速度分布曲線を読み比べると、分布が最も大きい速度側に寄っている排水Cで分離効率が最も高くなり、正解は選択肢(3)です。
覚え方
- 横流式沈殿池は表面負荷率=流量÷表面積が分離の境目。
- 沈降速度が表面負荷率以上の粒子は完全除去、未満は比例除去。
- 沈降速度分布が速い側に寄る排水ほど分離効率が高い。
理解度チェック
Q.
横流式沈殿池の分離効率を決める基準の値は?
表面負荷率(流量÷表面積)です。この問題では40 m3/h ÷ 100 m2 = 40 cm/hが境目になります。
Q.
分離効率が最も高くなるのはどんな排水?
沈降速度分布が大きい速度側に寄っている排水です。速い粒子ほど表面負荷率を超えて完全に除去されるためです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月