令和2年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問6を解説|加圧浮上分離法
令和2年度 汚水処理特論 問6は、加圧浮上分離法に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
加圧浮上分離法は、加圧して水に溶かした空気を減圧時に微細な気泡として発生させ、これを懸濁粒子に付着させて水面へ浮かせて分離する方法です。含油排水など沈みにくい対象に向き、沈降分離より短時間で固液分離できます。引っかけの核心は、粒子の密度が水より大きいと浮上分離できない、という一文です。気泡を付着させることで見かけの密度を水より小さくするのが浮上分離の要点なので、水より重い粒子でも分離できます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 密度が水より大きいと浮上分離できない、とする点が誤りです。微細気泡を付着させて見かけの密度を下げるため、水より重い粒子でも浮上させられます。 |
| (2) | ○(正しい) | 微細なコロイド状の懸濁物質には、あらかじめ凝集などの前処理が必要です。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 加圧・減圧を伴うため、所要動力は一般に凝集沈殿法より大きくなります。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 固液分離に要する時間は、一般に沈降分離に比べて短くなります。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 石油精製や機械加工の含油排水、製紙工場排水などが適用例です。正しい記述です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
浮上分離では、粒子そのものの重さで判断するのではなく、気泡を付着させたあとの見かけの密度で浮くかどうかが決まります。加圧浮上分離法は微細気泡を粒子にくっつけることで塊全体を水より軽くし、水面へ持ち上げます。したがって選択肢(1)の「密度が水より大きいと浮上分離できない」という決めつけが誤りで、油分のように沈みにくいものはもちろん、水より重い懸濁粒子でも気泡付着によって分離できます。
覚え方
- 加圧浮上は微細気泡を付着させ見かけの密度を水より下げて浮かせる。
- 沈降分離より短時間だが所要動力は大きめ。含油排水に向く。
- 微細コロイドには前処理(凝集)が必要。
理解度チェック
Q.
水より密度の大きい粒子は、加圧浮上分離法で除けない?
除けます。微細気泡を付着させて見かけの密度を水より小さくするため、水より重い粒子でも浮上分離できます。
Q.
加圧浮上分離法と沈降分離では、固液分離の時間はどちらが短い?
加圧浮上分離法のほうが一般に短時間です。ただし所要動力は凝集沈殿法より大きくなります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月