令和7年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問13を解説|非燃焼過程での生成
令和7年度 ダイオキシン類概論 問13は、非燃焼過程でのダイオキシン類の生成に関する正誤問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
非燃焼過程には、鉄鋼の焼結・製鋼、農薬製造、パルプ漂白などが含まれます。焼結工程や製鋼工程は「炎で燃やす燃焼」ではありませんが、炭素粒子と塩素源がある状態で高温処理される点が特徴です。この条件は、炭素などを出発材料にダイオキシン類が組み上がるデノボ合成が起こりやすい状況にあたります。引っかけの核心は選択肢(1)で、この工程を「デノボ合成ではない」と否定している点です。実際にはデノボ合成が起こると考えられており、否定の向きが誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 炭素粒子と塩素源のある高温処理ではデノボ合成が起こると考えられます。「デノボ合成ではない」とする点が誤りです。 |
| (2) | ○(正しい) | 農薬製造でクロロフェノール類を100~200℃で反応させる際の副生物として生成します。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | パルプ・製紙工場では塩素漂白と高温処理でリグニン等から生成します。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | カーバイド法アセチレン製造の次亜塩素酸ナトリウム洗浄工程での生成があります。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 無置換ジベンゾフランが塩素化剤と接触してPCDFsが生成すると考えられます。正しい記述です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
ダイオキシン類の生成には、大きく分けて前駆体(クロロフェノールなど)から組み上がる経路と、炭素などの材料から段階的に組み上がるデノボ合成があります。鉄鉱石の焼結工程や製鋼工程は、燃料を炎で燃やす燃焼ではないものの、炭素粒子・塩素源が共存する高温の場であり、これはまさにデノボ合成が進みやすい条件です。したがって、これらの工程での生成機構はデノボ合成であると考えられます。選択肢(1)は、条件までは正しく述べながら結論だけを「デノボ合成ではない」と反対向きに締めくくっている点が誤りです。
覚え方
- 焼結・製鋼など炭素+塩素源+高温=デノボ合成が進む場。
- 農薬製造は前駆体(クロロフェノール類)経由の生成。
- 条件が正しくても結論を逆にする引っかけに注意。
理解度チェック
Q.
焼結・製鋼工程でのダイオキシン類の生成機構は?
炭素粒子と塩素源のある高温処理で進むデノボ合成と考えられます。
Q.
デノボ合成とはどんな生成経路?
前駆体からではなく、炭素などの材料から段階的に組み上がる生成経路です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月