令和7年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問12を解説|燃焼過程での生成要因
令和7年度 ダイオキシン類概論 問12は、燃焼過程におけるダイオキシン類の生成要因に関する正誤問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
燃焼過程でのダイオキシン類生成は、塩素源・酸素・有機物がそろい、生成しやすい温度と滞留時間を通ることで進みます。塩素源からは塩素ラジカルが生じ、これが有機物を塩素化していきます。ここで、塩素の「離脱のしやすさ(反応への使われやすさ)」は塩素源の種類で違い、触媒的にはたらく塩化銅の塩素は、イオン結合の強い塩化ナトリウムの塩素より離脱しやすいという向きです。引っかけの核心は選択肢(3)で、この大小を逆(塩化ナトリウムのほうが離脱しやすい)に述べている点です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 塩素源があり、空気(酸素)による燃焼が起こることが生成の前提です。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 無機系塩化物・有機塩素系化合物から塩素ラジカルが生じます。正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 離脱しやすいのは塩化銅の塩素です。塩化ナトリウムのほうが離脱しやすいとする大小が逆で誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 無機系塩素源での生成しやすさの序列はNaCl>KCl>CaCl2です。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 燃焼温度と排ガスの滞留時間は生成量を大きく左右します。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
塩素源は種類によって、塩素をどれだけ手放しやすいかが違います。塩化銅(CuCl2など)は、銅がダイオキシン類生成の触媒としてはたらき、塩素を放出・受け渡ししやすい塩素源です。一方の塩化ナトリウム(NaCl)は、ナトリウムと塩素のイオン結合が強く、塩素が離れにくい安定な塩です。したがって塩素の離脱しやすさは塩化銅>塩化ナトリウムの向きになります。選択肢(3)は「塩化ナトリウムの塩素は塩化銅の塩素よりも離脱しやすい」として、この大小を逆に述べている点が誤りです。なお選択肢(4)は無機系塩素源どうし(NaCl・KCl・CaCl2)を比べた序列で、別の比較なので混同しないようにします。
覚え方
- 塩素の離脱しやすさは塩化銅>塩化ナトリウム(銅は触媒)。
- 燃焼生成の条件=塩素源+酸素+温度+滞留時間。
- 無機系塩素源の序列はNaCl>KCl>CaCl2(別の比較)。
理解度チェック
塩化銅と塩化ナトリウム、塩素が離脱しやすいのは?
塩化銅です。銅は生成の触媒としてはたらき、塩素を放出しやすい塩素源です。
燃焼生成量を大きく左右する条件は?
燃焼温度と排ガスの滞留時間です。塩素源と酸素の存在も前提になります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月