令和7年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問11を解説|クロロフェノールの縮合と生成
令和7年度 ダイオキシン類概論 問11は、クロロフェノールの2分子縮合で最も生成しやすいダイオキシン類を選ぶ問題です。図に示されたクロロフェノールから、生成しやすい1つを選びます。
この問題のポイント
クロロフェノールは、フェノールに塩素とヒドロキシ基(OH)が付いた分子です。2分子が縮合するとき、それぞれのOHの酸素が相手の環とつながって2本の酸素の橋を作り、ジベンゾ-パラ-ジオキシンの骨格ができます。ここで手がかりになるのが塩素の数です。トリクロロフェノール(塩素3個)が2分子つながると、結合で使われる位置の分を除いて、生成物の塩素数は4個=テトラクロロ体(TeCDD)になります。塩素数で候補をTeCDDに絞り込むのが解き方の軸です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
各選択肢の見分け
| 選択肢 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(生成しやすい) | 2,3,7,8-TeCDD。塩素4個のTeCDDで、この縮合で最も生成しやすい代表です。 |
| (2) | × | 1,3,7,9-TeCDD。塩素数はTeCDDですが、塩素位置がこの縮合で生じる配置と合いません。 |
| (3) | × | 3,4,6,7,8-PeCDD。塩素5個のペンタ体で、塩素数が合いません。 |
| (4) | × | 1,3,4,6,8,9-HxCDD。塩素6個のヘキサ体で、塩素数が合いません。 |
| (5) | × | 2,3,3′,4,4′,5-HxCB。これはビフェニル骨格のPCBで、そもそもジベンゾ-パラ-ジオキシンではありません。 |
ここが分かれ目
まず骨格で切ります。選択肢(5)はHxCB=コプラナーPCBで、酸素の橋を持つジベンゾ-パラ-ジオキシンではないため、この縮合の生成物になり得ません。次に塩素数で切ります。トリクロロフェノール2分子の縮合でできるのは塩素4個のテトラクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン(TeCDD)なので、ペンタ体の(3)やヘキサ体の(4)は外れます。残るTeCDDのうち、この縮合でそろう塩素の位置に合致する代表が2,3,7,8-TeCDDで、最も生成しやすいものとして選択肢(1)が正解です。
覚え方
- クロロフェノール2分子の縮合=酸素2本の橋でジベンゾ-パラ-ジオキシン。
- トリクロロフェノール2分子→塩素4個のTeCDDに絞る。
- PCB(ビフェニル骨格)はこの縮合では生じない。
理解度チェック
トリクロロフェノール2分子の縮合で生成物の塩素数は?
塩素4個のテトラクロロ体(TeCDD)です。まず塩素数で候補を絞れます。
選択肢のHxCBを外せる理由は?
HxCBはビフェニル骨格のPCBで、酸素の橋を持つジベンゾ-パラ-ジオキシンではないからです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月